サッカー日本代表には「どんな選手も招集できる」わけではない事情

「日の丸こそ至高」という意識も今は昔

コパ・アメリカのメンバーが意味すること

5月24日、都内。6月から開催されるコパ・アメリカ(南米選手権)に挑む日本代表メンバーが発表されている。

「派遣義務のない大会で、皆さんに協力していただいた」

森保一監督は、とにかく感謝を口にした。招待された大会であるコパ・アメリカに関して、日本サッカー協会には選手に対する拘束力がまったくない。

「行かせないよ」

クラブにそう返されたら、おしまい。同時期にリーグを戦うクラブにとって、戦力的には自ら損益を出すに近い。その中で、どうにか協力してもらった、ということだ。

 

必然的に、メンバー選考は難航した。

欧州組はその多くが所属クラブで出番がない選手で、試合感を取り戻すような舞台になるだろう。J2の選手だけでなく、大学生が入るのも仕方ないし、その大学もリーグを戦っている。

こうなることは予想できたわけで、いわば無理を押しての出場である。

「いつでも誰でも呼べる」という幻想

「代表は、いつでもどんな選手も呼べる」

まず、そのイメージは正しくない。

そもそも、FIFA(国際サッカー連盟)が国際Aマッチと定めた場合以外では、招集を受けた選手の所属クラブには拒否権がある。すなわち国の代表であっても、無制限に選手を招集できるわけではない。契約を行っているのは、あくまで各クラブなのだ。

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日本では、まだまだこの事実が浸透していない。ようやく、関係者が認識しつつあるという状況。今回のコパ・アメリカの選考で、識者への理解も広がりつつある程度だ。

例えば、五輪サッカー代表を管轄するのはIOC(国際オリンピック委員会)で、FIFAではない。クラブが拒否すれば、何をどうしても招集は不可能。もちろんクラブと交渉する余地はあるものの、極めて難しい現実がある。