【保存版】アトピー性皮膚炎へのスキンケア「8つの質問」に答えます

治療を「長く続ける」ために必要なこと
ほむほむ プロフィール

しかし、その研究結果に対しては疑問が提示されています。最近の実験では、むしろ逆効果となると主張するものもあり、あくまで次善の策であると捉えたほうが無難でしょう。

「入浴後すぐに塗る」保湿剤。「すぐ」っていつ?

Q5. 保湿剤はワセリンやヒルドイドがよいのでしょうか? 市販の保湿剤は効果がありますか?

医療用に使われる保湿剤は、ヘパリン類似物質(ヒルドイドなど)、尿素(ウレパールなど)、ワセリン(プロペトなど)がありますが、それらを直接比較した臨床研究はほとんどありません。

ただし、「保湿成分を含んでいるものの方が再発が少ない」という研究結果は存在します。ですから、保湿成分が含まれないワセリンよりは他の保湿成分を含むものの方がよいでしょう。

現時点では、どの保湿成分が優れているのかという比較は困難なので、月並みかもしれませんが「使用感や季節、重症度で保湿剤を選ぶ」ということになるでしょう。

Q6. 保湿剤は入浴後どれぐらいで塗ればよいですか?

「入浴後、すぐに塗るように」と言われることが多いと思いますが、「入浴後すぐに塗るのと、入浴後90分経過後に塗るのとでは皮膚の水分量に差はない」とする研究結果も出ています。

そこで私は、あまり焦らず丁寧にケアすることをおすすめしています。

保湿剤とステロイド剤、どっちを先に塗ればいい?

Q7. 保湿剤は1日に何回、どれくらいの量を塗るべきですか?

保湿剤の塗る回数に関する臨床研究はほとんどありません。ただ、世界各地で1日複数回の塗布が推奨されています。エビデンスと言えるものではありませんが、それに従うのがいいでしょう。

また、保湿剤の使用量に関しても具体的に言及しているガイドラインは少なく、「十分量を塗る」ように指導している、というものがほとんどです。

Q8. 保湿剤とステロイド剤はどちらを先に塗るのがよいのでしょうか?

最近、この件に関する比較試験が行われ、「臨床的に差はない」という結果が出ました。

どちらが先でもよいということにはなりますが、私はスキンケアを優先させたいので、保湿剤を丁寧に塗布した後にステロイド外用薬を塗布することを推奨しています。

重要なことは変わりません

スキンケアに関して、決して十分なエビデンスではありませんが、実験結果を探しながら書いてみました。あくまで現時点のエビデンスなので、将来的には変わってくるかもしれないというところには注意が必要です。

しかし、医師にとっては「皮膚状態を十分に確認しながらスキンケアを指導していくこと」、患者にとっては「その指導を受けてスキンケアを継続させること」が重要であることは、今後も変わらないでしょう。

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