大腸、肺、胃…がん経験者が語る「こんな思わぬ前兆がありました」

こんなサインが現れたら要注意
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その腰の痛み、もしかして

さらに大腸がんが進行すると「腸閉塞を起こし、そのうち頻繁に嘔吐するようになる」と語るのは、康心会汐見台病院院長の赤池信氏だ。

「しかも通常の嘔吐とは違って、胃液ではなく、便のような茶色い吐瀉物が出る人もいます。ここまでくれば、かなり大腸がんが進行していると言わざるを得ません。

手遅れにならないためにも、大切なのが、大腸がんの場合、便を毎日観察することです。便に血が混じる程度であれば、痔だと思って見過ごすこともありますが、それが何日も続けば、何か異常があると気付けるはずです。

また、3親等以内に大腸がんの人がいる場合は、リスクが高くなるというデータもあるので、家族の既往歴がある人は、こまめに検査を受けたほうがいいでしょう」

 

大腸がんには、直腸がん結腸がんの2種類があり、兆候も微妙に異なる。便が出る肛門付近にできる直腸がんなら肛門痛が起こる。これは便が通るとき、がんに触れるからだ。腸がS字に曲がった部分にできる結腸がんなら中下腹部の痛みが発生する。

一方、大腸がんと並び罹患数の多い胃がんはどうか。主な兆候としては、胸やけみぞおちの痛み食欲低下、体重減少(半年から1年間で体重の5%以上)、腹部膨満感などが挙げられる。

「胃がんが、他の部位のがんと違うのは、比較的痛みが早く出ることです。具体的には、胃酸が胃にしみるような痛さです。

『がんは痛みが出たらすでに手遅れだ』と思っている人もいますが、胃がんの場合は、痛みが出たからといって、必ずしもがんが進行していたり、転移していたりするわけではありません。自覚症状があってからでも十分回復の見込みはあります」(慶應義塾大学病院・腫瘍センター教授の西原広史氏)

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さらに胃がんは腹部だけでなく、意外な部位に痛みが出ることもある。消化器の神経は左側に集まっているので、左肩が痛くなることがある。

一方で通常のがんと比べ、進行が早く致死率が非常に高いスキルス胃がんは、腰の痛みがサインとなる。

元アナウンサーの逸見政孝さんも、歩けないほどの腰痛を訴えて病院を受診したところ「過労」と診断されたが、のちに検査でがんと判明。その後、1年も経たずに亡くなってしまった。

全がんの中で、死亡者数のトップに立つのが、肺がん。死亡者数は年間約7万4000人に上る。

肺がんは初期症状が薄く、検査をしても見落とされることが多い。2月末には、杉並区の肺がん検診で胸部レントゲンの異常所見を見逃したために肺がんが悪化したとして、同区在住の70代後半男性が病院と区を相手取って損害賠償請求を起こしている。

このように非常に発見が難しいため、かなり進行した状態で見つかることが多い肺がんだが、前兆がないわけではない。