Photo by iStock

「ただの口内炎」「痰やせき」それはガンの兆候かもしれない

人間は、口とのどから衰える

がんは痛みが出たら、もう遅いと言われる。だが、すべてのがんには予兆がある。それはあなたにしかわからない、ちょっとした違和感かもしれない。わずかな異変を感じ取れるかが、寿命を左右する。

 

食べ物がまずくなった

「単なる口内炎だと思っていたのが、まさか舌がんだったとは、想像もしていなかった」

白衣姿で黒板を使い、お色気を交えた医事漫談で一世を風靡したケーシー高峰さんが、先頃(4月8日)、肺気腫のため亡くなった。享年85。ケーシーさんは生前、本誌にこう語っていた。

「舌がんが判明したのは、71歳のころ。冷たいものを食べるとベロ(舌)が染みる、普段おいしいはずの食べ物が『まずい』と感じたのが、最初の自覚症状でした。

姪が医師だったこともあり、念のため診てもらうと『これは早く大きな病院に行ったほうがいい』と言われて、大学病院を紹介してもらった。

口腔外科で調べたところ初期の舌がんが判明。即手術となりました。口内炎かなと思ってから約1週間後のことでした」

早期に発見できた甲斐もあり、2週間後には舞台に立っていたケーシーさん。最初は話せなかったので、マスクをして筆談で漫談を行っていた。

「実際自分の声で話したのは、1ヵ月以上経ってからでした。自分の声が戻ったときはうれしかったですね。

舌を動かすリハビリも一生懸命やりましたよ。担当の看護師さんがきれいな女性だったから、『キスすれば治ったかどうかわかるんじゃないか?』と冗談を言ったりしてね(笑)」

こう言って得意のジョークで笑わせてくれたケーシーさんだったが「たかが口内炎」と放置せずに、早めに対処したことで、その後、14年も生きることができた。

「舌に異変を感じて早く行動に移したのは、人生観ではなく、仕事柄でしょうね。毎日全国を飛び回って笑いを振りまいているから『出番に穴を開けるわけにはいかない』と思っていました。

一般の人は、口の中に痛み(口内炎)があっても、がんとは普通考えないでしょう。でも症状がひどくなってから病院に行ったのでは遅いのです。ましてやこの世界にいると、不規則な生活に煙草、酒の連続だから、50、60を超えてガタが来るのは当然。

でもいろいろな『がんの兆候』を知っておけば怖くないことを、身をもって経験しました」(ケーシーさん)

日本人が一生のうちにがんになる可能性は、男性が62%、女性が47%。いまや2人に1人が、がんにかかる時代となった。その中でも昨今、患者数が増えているのが、口腔・咽頭がんだ。

国立がん研究センターによると、胃がんの年間罹患数(男女合計)は、'95年に約10万人で、'14年時点では約13万人と1.3倍になったのに対して、口腔・咽頭がんは'95年に約8500人(男女合計)だったのが、'14年には約1万9000人とおよそ2.2倍に増加している。