衝撃!大企業で本当にあった「集団左遷」〜ある日突然、部署が消えた

あの名門企業でも…
週刊現代 プロフィール

「人さらいが現れた」

ところが近年、格安眼鏡チェーンの台頭などによりHOYAの経営は曲がり角を迎えた。国内外に工場と社員を抱える経営トップが考えたのは、不採算部門の整理。

人件費削減のために国内工場は海外移転が進み、小さい街の眼鏡屋が顧客だった営業部の社員も、首が涼しくなってきた。

 

「『そろそろウチの部署もやばいかもな』なんて冗談まじりに言うようになりましたが、あくまで自分は大丈夫だと高をくくっていました。もっと成績の悪い社員だけがクビになるものだと思っていましたから。

リストラどころか、左遷や子会社出向だって考えたことはなかったんです。妻子もマイホームもあるし、人事評価にケチをつけられたら部長に文句を言ってやるつもりでした。

部門整理が始まって半年ほど経ったある日、出社すると同僚が青ざめてるんです。『人さらいが現れた』と。

人さらい?と思って聞くと、その日営業部で3人が一気にクビになったんです。クビを突き付けられた30代の後輩と廊下ですれ違うと、口をモゴモゴさせながら顔面蒼白で突っ立っていた」

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その後立て続けに6人がいなくなり、さすがの原田さんも慌てた。そして、いよいよ自分の番が回ってきた。

「営業部長と営業所長が待つ会議室に呼び出されました。普段使われない会議室で、これはまずいと直感しました。

中に入ると、特に前振りもなく『あなたは、今後の人事の構想から外れています』と告げられました。いくら反論しても聞き入れてもらえず、再就職先が見つかるまで仕事のないお飾り部署に異動になった。

今思えば、あれは『集団左遷』そのものでしたね。部長もグルで、いくらこっちが頑張っていても部署の人間をまるごとクビにして、各部門から有望な若手を集めて新しい営業部を作る予定だったんです。

事業規模が小さくなったぶん、人数も半分近く減らす必要があった。人員整理が進んでいることはわかっていても、まさか自分の部署ごとなくなるとは……。

聞いたところだと、リストラを早く受け入れた社員は料亭に連れていかれて慰労されたり、良い再就職の斡旋業者を紹介してもらったりしていた。私のようなベテランには、そんな厚遇はありませんでした」

部署整理に乗じ、給料が高く出向先や再就職先が見つけにくい年齢層の社員を人事構想から外す。会社に居場所は残されておらず、自主退職するしかない。「集団左遷」のえげつないところだ。