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# メンタルヘルス

外資系産業医が明かす、わが子を「ストレスに強い人」にする育て方

単なる「ガリ勉」にしてはいけない

外資系企業のタフでハードな職場環境は、ときに人をふるいにかけます。

学生時代にどんなに優秀だった人でも、仕事のストレスに悩まされ心身ともに疲弊し、潰れてしまう。一方で、学生時代はクラスの平均かそれ以下だった人が、結果を出し続け、また、人望も厚くどんどん昇進していくこともある。

両者の差は一体どこでついたのでしょう?

外資系企業を中心に20数社のクライエントを持ち、通算1万人以上の従業員との面談経験がある産業医の武神先生が分析してわかった、「ストレスに強い人」たちに共通する子供(学生)時代の過ごし方を解説します。

 

「非認知能力」、ご存じですか?

ストレスに強い大人たちに子供時代の話を聞いてみると、多くの人が、「認知能力」だけでなく、「非認知能力」を継続的に育まれてきた共通点がありました。その結果、彼彼女らは認知能力を上回る非認知能力を持っているのです。

……と、少々専門的な話からスタートしましたが、それぞれの用語の解説をしておきましょう。

「認知能力」とは、ハードスキルと言われるような、テストの点数や偏差値、IQ等、数字で示され従来の勉強で測定可能なものです。言われたことをやる、過去問、塾や予備校、丸暗記などの時間効率がよい勉強で得られやすい特徴があります。

一方、「非認知能力」は、ソフトスキルと言われるような、前述のような数字では測れないものを意味します

勤勉性、開放性、外向性、協調性、精神的安定性などが代表的です。他にも、まじめさ、好奇心、社交性、利他性、自己肯定感、責任感、想像力、やり抜く力、活動性、自己効力感、自主性、積極性、コミュニケーション力、共感力、回復力、意欲、柔軟性、自信、自制心、忍耐力などなど……。

あげればきりがありませんが、総合的人間力と捉えてもいいものかもしれません。

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なぜ“総合的”と私がいうかというと、例えば、回復力(レジリエンシー)に優れる人は、回復力だけにに優れるためメンタルヘルス不調になりにくいのではありません。

そのような人は多くの場合、職場で日頃から上手にコミュニケーションを行なっていたり、わからないことを人に聞く素直さや謙虚さ、加えては周囲を巻き込む行動力、そして己自身の試行錯誤や、やり抜く力なども持っているため、そもそも回復力をそこまで要さない。要したとしても周囲がサポートしやすい人であることを、私は産業医として多く見てきました。

非認知能力とはこのように、複合的なものなのです。

では、どうして、「非認知能力」をつけることが、ストレスに強くなる子育てに繋がるのでしょうか。同様に、どうして、「非認知能力」がないとストレスに弱く育ってしまうのでしょうか。