なぜ肩こりにも関節痛にもマインドフルネスが「いい」のか

「心療整形外科」を始めた医師が説く 第4回

「心療整形」を始めた医師が「自分で治す」方法を解説するシリーズ、「腰痛に悩むならマインドフルネス・ウォーキングを始めるべし」と前回書いたhttps://gendai.ismedia.jp/articles/-/64435)ところ、肩こりや関節痛にもいいのか? との質問をいただきました。

もちろん始めてみましょう!  その理由を今回は解説します。

肩こりもマインドフルネスで動かす

マインドフルネス・ウォーキングの考え方が大切なのは、決して腰痛だけではありません。肩こりにもついて応用できます。

首から肩の痛みを断ち切るには、腰と同じように怖がらずに思い切って首まわりの運動をはじめていくことです。この時も、こころを穏やかにして、自分のからだで感じる「今の瞬間」に意識をあてていくといったマインドフルネスの要素を取り入れた運動を心がけます。

気分を楽にして、からだ全体の力を抜き、肩の上げ下げをします。肩甲骨に注意を向けてみます。両方の肩甲骨が真ん中に向かって近づくように背中と肩をゆっくりそらしていきます。

次に首を前後左右にゆっくりとふって、少しずつからだをほぐしていきます。腕を大きく振って肩関節のぶん回し運動をします。これを10回から20回するのをワンセットにして1日2~3セット行ってください。

この時、「ただからだを動かす」のではなく、「今、からだを動かしている自分を感じる」ということが重要です。

現在の肩こりの様子を感じながらゆっくり運動を行います。運動し終わった後で「別のことを考えながら運動をしていたので、なにをどうやったか思い出せない」ようではいけません。

ただし肩こりを起こす疾患には頚椎椎間板ヘルニアや頚椎症性神経根症などがあります。このような疾患では過度な運動は有害です。

肩こりのほかに腕から手にかけてのシビレがあったり、上を向くと上肢に電撃痛が走ることがあります。安静が必要な状態かどうか医者へ行って確認し、そういう疾患がなければまずは動かしていくことです。

肩こりの原因ストレートネックも自分で変えられる

肩こりの人の頚椎のレントゲンを撮ると、ストレートネックの人がたくさんいます。
よく、ストレートネックは「治らない首の骨の病気」と勘違いされるのですが、これは単なる姿勢の問題です。いわゆる「生活習慣病」。

で、あればマインドフルネスを利用して生活習慣を改めればすぐに治ります。 

頸椎は横からみると、もともと前に凸のきれいなカーブがあります。ちょうど、前に矢を飛ばすようにひいた弓のしなり方の様なカーブです。そのカーブがなくなり頸椎がまっすぐになるのをストレートネックといいます。

加齢による変形性頚椎症によるものだけではなく若年者にもみられます。猫背の傾向の人にみられ、端末のキーボード操作などの仕事内容もその原因です。

ストレートネックは肩こりや頭痛、背中や肩甲骨の痛みなどを引き起こすこともあり、ほてりや気力減退などの自律神経症状やメンタルの症状が出る人もいます。

ストレートネックは頻度としてはかなり高率です。最近は頸椎にきれいなカーブがある人より、ストレートネックの人の方が明らかに多くなりました。

ストレートネックは間違いなく「多数派」なのに、患者さんは「首の骨のカーブがふつうではない」と医者から説明されるのですから、心配になる気持ちはわかります。

さて、ストレートネックは、一生治らないのでしょうか? レントゲンを撮って説明した人からしばしば聞かれる質問です。

私はだいたいいつもこう答えます。

くびの「骨の形」は、身長や顔の形と同じように、それぞれの個性だから変えようと思っても簡単には変えられません。

ただ「顔の形」は変えられなくても、笑顔でいるように心がけたら「顔つき」は明らかに変わってきます。それと同じ。

ストレートネックは顔つきならぬ「首つき」ですから、姿勢に気をつけたり、生活に首まわりの運動をとりいれたりして生活習慣を改善すると「首つき」すなわちカーブはよくなっていきます。

背筋を伸ばしながら肩はリラックスしてゆっくり呼吸を繰り返します。マインドフルネスを心にとめてその姿勢を1日に何回かとってみてください。首は必ずきれいなカーブを描くようになります。

ストレートネックそのものを気にする必要は全然ありません。前かがみで猫背の姿勢でキーボードに長時間向かうとか、そんな生活習慣が肩こりや頭痛の原因になるので気をつけた方がいいという程度のことなのです。