心を元気にするスポーツの力(畠山愛理)

'16年のリオデジャネイロオリンピックを最後に新体操選手を引退し、今はスポーツキャスターとしていろいろな競技を取材させていただいていますが、新しい発見もありますし、選手時代と違った楽しさを感じています。

私が続けてきた新体操は表現スポーツなので、見ている方たちに感動だけでなく、ノリのいい演技をすれば会場全体が思わず手拍子して一緒に踊りたくなるような明るい空気になったり、逆に悲しみを表現した演技をすれば時に涙ぐんで見ている方がいたりと、演技者の抱く気持ち次第で、いろいろな感情を見ている方々に伝えることができます。会場のみなさんと一体にもなれる。私はそれがすごく好きでした。

自分たちが頑張ることでまわりの方々に喜んでもらえたり、元気になってもらえる。スポーツにはそうした力があります。被災地の方々を勇気付けようと向かった際は、しっかりと前を向いて生きる被災者の方々を目の当たりにして、私たちが逆に勇気や頑張る力をもらったということもありました。

そうしたスポーツの魅力を伝えられる、今の仕事をする上で、新体操を最優先にして選手を続けてきたことは私の強みになっています。選手の方に取材をさせていただく際、競技は違っても選手をやっていたからこそ共感できて深く聞けることが少なくありません。ケガをして練習が思うようにできず、コーチとぎくしゃくしてしまって新体操から気持ちが離れそうになったこともありましたし、主将をやらせていただいたことでリーダーの大変さなども知ることができた。ほかにも苦しんだり、悩んだりした経験が生かせています。

それだけでなく実際に競技を体験させていただいて、その実感をみなさんにお話しできるのも、選手としてトレーニングを積み重ねてきたものがあるから了承していただけているのだと思います。やっぱり、やってみると難しさや、すごさなどがよくわかります。パラリンピックの競技は特にそうですね。パラバドミントンもそうですし、車いすラグビーもそうですし、車いすバスケットもそう。まず、車いすを動かすことが想像していた以上に大変です。その上でバスケットならボールを操作する。周辺視野も広くしないといけない。車いすに座っているのでゴールもすごく高く感じる。車いすラグビーでは車いす同士で思い切り当たってもらったのですが、衝撃の強さに驚きました。

今は'20年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて体験できるイベントも多いので、子供たちなどにはいろいろな競技を体感して、知ってもらいたいですね。

私も、これからもいろんな形で、スポーツの魅力を伝えていければと思っています。(談)