炎上した「ロケットプロジェクト」の支援を続けた、本当のワケ

投資家として試されている
藤野 英人 プロフィール

一枚の写真

そうやって悩みながら会社で議論して決めたのが、資金の3分の1を会社が、残り3分の2は私個人が出すという結論でした。個人で出すというのも覚悟が要りましたが、あの男の子の涙が私を本気にさせたのだと思います。

その頃は、ひふみの基準価額が下落すると、ツイッターなどで2号機が大爆発した瞬間の画像が貼られることもありました。「3号機が成功すればこれも笑い話になるだろう」と思っていましたが、また失敗すれば「そもそも藤野の選球眼は大丈夫なのか」と言う人が出てくることも予想できました。それでも私は、ISTのみなさんを信じて賭けることに決めたのです。

3号機の打ち上げは当初4月30日の予定で、私たちは29日から打ち上げが行われる十勝南部の大樹町に入り、固唾をのんで見守っていました。スポンサーとしてできることは、もう祈ることしかありません。機体トラブルや強風の影響で打ち上げは何度も延期になりましたが、「もう何があっても驚かない」と肚も座りました。

そして、5月4日5時45分。

〔photo〕インターステラテクノロジズ提供

射場から4キロメートルほど離れたところで朝日に染まる空を見ていると、「十勝晴れ」と呼ばれる美しい青空に向かって爪楊枝の先ほどの点が白い光を放ちながら上っていくのが見えました。「20メートル以上は上がっているな」と思っていると、その白い光はロケット雲を流しながら私たちの頭上にやってきました。高く上がったロケットは、花火のように真上に上がって見えるのです。

会場は、大興奮に包まれました。

 

私は今回、社会のため、会社のためということもさることながら、「あの少年に挑戦するということの価値を感じてほしい」と思ってスポンサーになりました。もちろん人生には、果敢に挑戦しても成功しないこともあります。仮に今回そのような結果になっていたとしても、「それでも頑張っていこう」という思いは伝わるだろうと思っていました。結果的にロケットが宇宙に到達したことで、失敗を重ねてもあきらめず挑戦し続けて成功に至る、そうやって世の中は進歩していくのだということを彼は感じ取ってくれたのではないかと思っています。

3号機の打ち上げ成功のあと、あの男の子のお母さんから連絡があり、一緒に写真を撮ることができました。この写真は、私の一生の記念です。

インターステラ社稲川さんをお招きして、イベント開催が緊急決定!

実験の成功をみなさまと一緒にお祝いをするとともに、あらためてロケット産業の意義や未来像、そして「投資の本質」について、藤野がインタビューします。

2019年6月4日(火) 19:00~20:30
緊急開催!ロケット宇宙到達記念
インターステラテクノロジズ稲川貴大社長×藤野英人 トークイベント

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