炎上した「ロケットプロジェクト」の支援を続けた、本当のワケ

投資家として試されている
藤野 英人 プロフィール

初号機失敗、直後のこと

MOMO初号機の打ち上げが実施されたのは、2017年7月30日。濃霧のため、当初予定していた29日から何度か延期を繰り返した後、夕刻になって打ち上げられたのですが、動画では「ウィーン」という音が聞こえるばかり。ロケットの姿は霧に隠れてまったく見えませんでした。しばらくしてわかったのは、高度20キロメートルほどの高さに到達したものの、エンジンが止まったということでした。

初号機の打ち上げは失敗でしたが、私は高度20キロメートルまでロケットが上がったということに感動を覚えました。堀江さんは「ロケットを見ると感動するんだよ」と言っていたのですが、その言葉は本当だと思ったのです。

 

初号機の失敗がわかったあとすぐ、私は堀江さんに「2号機を打ち上げるならスポンサーになりたい」とメッセージを送りました。他にもオファーがあったようですが、手を挙げた早さもあってか、当社は2号機の単独スポンサーになりました。2号機の機体のペイントデザインをさせてもらうことになったのです。もちろん、スポンサーとして出した資金はひふみ投信等のファンドからは1円も拠出せず、すべて当社の自己資金からの拠出です。

ひふみろを機体にペイントすると、かわいい仕上がりにISTの社員さんたちも愛着を持ってくださいました。こうして、ひふみろは本物のロケットになって打ち上げられることになったわけです。

初号機が高度20キロメートルまで打ち上がっていたので、私は2号機の打ち上げ成功に期待していました。しかしロケット開発はそんなに甘いものではないこともわかっていました。ロケット開発ベンチャーは、アメリカでは「CGベンチャー」などと揶揄されることがあります。打ち上げのシミュレーションをしているばかりで本物のロケットはなかなか打ち上がらないからです。資金が尽きて倒産したロケットベンチャーも少なくありません。

2号機の打ち上げが行われたのは、2018年6月。その日は早朝から、多くの人が期待に胸を膨らませて打ち上げを待っていました。