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安倍首相が選挙前に密かに探るという、驚愕の「消費税ウルトラC」

新聞各紙の「首相動静」を深読みすると

なぜか異なる「首相があった専門家」の名前

安倍晋三首相の某月某日の行動・日程は、その当該日の夜、内閣広報官室が共同通信、時事通信両社に提供、それを加盟各新聞社に配信したものが翌日の新聞各紙朝刊に掲載される。

『朝日新聞』は4面「首相動静」、『毎日新聞』は5面「首相日々」、『読売新聞』は2面「安倍首相の1日」、『日本経済新聞』は4面「首相官邸」と題して首相日程を報じる。

筆者が注目したのは5月16日の安倍首相の夜の日程である。『日経』の「首相官邸」には「同日18時54分から21時26分までニッセイ基礎研究所チーフエコノミストの矢嶋康次、モルガン・スタンレーMUFG証券シニアアドバイザーのロバート・フェルドマン両氏ら経済専門家と会食」と記述されている。

ところが、『朝日』の「首相動静」では上述2人以外の岡三証券の愛宕伸康チーフエコノミスト、クレディ・スイス証券の市川真一チーフ・マーケット・ストラテジストの2人の名前がある。『毎日』は『日経』と同じで矢嶋、フェルドマン両氏だけであり、『読売』では愛宕氏の名前がない。事実は、愛宕、市川、フェルドマン、矢嶋の4氏が招かれている。

では、なぜ新聞によって異なるのか。4人全員の名前を記載するのはスペースを取り過ぎる、世間的に名前が周知している経済専門家だけで十分だ、と判断した新聞社があったかも知れない。

だが、かなり疑い深い筆者は、時期が時期だけに違う見解を持った。それは、10月1日に予定されている消費税率10%への引き上げ問題と無関係ではないと考えたからだ。

 

消費増税「あり」と読むか「なし」と読むか

そのように疑う根拠は、まずフェルドマン、矢嶋両氏が消費増税反対論者であるということである。付言すれば、日本銀行OBの愛宕氏と、財務省に近いとされる市川氏は予定通り消費増税を実施すべきとの主張で知られる。

安倍首相は消費増税賛否両論の経済専門家と夕食を交えて意見を聴取したと言いつのるだろうが、筆者の想像の解は、世界有数の経済専門紙『日経』、そしてアベノミクスに批判的な『朝日』と『毎日』のうちの『毎日』に消費増税先送り論のフェルドマン、矢嶋両氏の名前を記載することを首相官邸が望み、その意向が間接的に両紙に伝わったのではないかというものだ。もちろん、「下衆の勘繰り」だと一蹴されることは承知している。

それでも、きたる参院選を衆院選との同日選挙にする決定権を掌中に収めたい安倍首相が、衆院解散の大義として消費増税再々延期の可能性を残さないはずがない。平たく言えば、消費増税の三度延期ムードを高めておきたいということだ。