新天皇と雅子皇后、初の地方訪問が示す「皇室大変革の予感」

二重権力、三重権力が現れる可能性
原 武史 プロフィール

明仁天皇と徳仁天皇の「性格の差」

天皇・皇后は6月1日に新幹線で愛知県に入り、2日には中部国際空港から特別機で帰京する予定になっています。

専用車で中部国際空港まで直接行き、羽田空港から再び専用車に乗り、赤坂御所に帰るとすれば、名古屋から東京まで新幹線に乗るのと比べて、国民の目に触れる機会も自然と限られてきます。平成に比して、国民に接する時間はきわめて短くなっていると言えるでしょう。

単純に考えれば、その違いは、美智子皇后と雅子皇后の体調面での違いに起因するでしょうし、もちろん、良し悪しを判断すべき性質のものでもありません。ただし、令和においては「平成流」がそのまま受け継がれるわけではないであろう、ということは確かに言えるのです。

 

もうひとつ私が着目しているのは、明仁天皇と徳仁天皇との「性格の違い」です。

明仁天皇の言動は、倫理的で実直です。「平成流」の天皇像が、国民の敬意によって裏付けられていたのは、こうした性格ゆえもあるでしょう。

ただ、ユーモアがある印象は薄い。口数の少なかった昭和天皇ですら、園遊会で柔道家の山下泰裕氏に「柔道は骨が折れますか」と尋ねるようなユーモアがありましたが、明仁天皇にはそうしたエピソードがあまりありません。

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また、地方訪問で国民と対話する姿が印象に残っていますが、実はこの「天皇と国民が相対する」状況を作り上げるには、膨大な警備コストがかかっていました。「親しみやすさ」を担保するために、その裏では厳戒態勢が敷かれていたのです。

徳仁天皇はそれに比べると、普段の言動にもユーモアが感じられます。柏原芳恵のファン、ウルトラセブンが好き――そのようなエピソードがこのひと月あまり頻繁に報道され、徳仁天皇を身近に感じた人も多いでしょう。