『銀河鉄道の父』の著者が語る「信頼に足る古典小説」の魅力

門井慶喜「わが人生最高の10冊」
門井 慶喜

門井慶喜さんのベスト10冊

第1位『オデュッセイア』(上・下)
ホメロス著 松平千秋訳 岩波文庫 上970円、下920円
オデュッセウスの冒険と復讐を描くギリシャ最古の英雄叙事詩。「ホメロスの『イリアス』は未読。いつか読みたい」

第2位『リチャード三世
シェイクスピア著 福田恆存訳 新潮文庫 460円
明晰な知能で陰謀を企て、王位に就くリチャード三世を描く史劇。「冷徹な論理を貫く王に人間的魅力も感じます」

第3位『10 1/2章で書かれた世界の歴史
ジュリアン・バーンズ著 丹治愛、丹治敏衛訳 白水Uブックス 入手は古書のみ
「ジェリコーの絵画『メデューサ号の筏』に関する第五章だけでこの本を読む価値があると思います」

第4位『時の娘
ジョセフィン・テイ著 小泉喜美子訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 800円
探偵役の警部が病院のベッドでリチャード王の素顔を推理。
「純粋な思考小説にも近い」

 

第5位『オイディプス王・アンティゴネ
ソポクレス著 福田恆存訳 新潮文庫 460円
悲惨な運命をたどった王と、その娘の悲劇の2編。「品のある福田恆存訳も良い」

第6位『神曲【完全版】
ダンテ著 平川すけ弘訳 ギュスターヴ・ドレ画 河出書房新社 5800円
生身のまま地獄・煉獄・天国を旅するダンテの三部作を収録。「地獄篇が最も面白い」

第7位『不在の騎士
イタロ・カルヴィーノ著 米川良夫訳 白水Uブックス 1500円
鎧の中身が空っぽの騎士の主人公が自分の存在を証明する旅へ。奇想あふれる冒険譚

第8位『素敵な仕事
デイヴィッド・ロッジ著  高儀進訳 大和書房 入手は古書のみ
左翼的な英文学研究者の女性と保守的な鋳物会社社長の男性が出会い、変化していく

第9位『前日島』(上・下)
ウンベルト・エーコ著 藤村昌昭訳 文春文庫 入手は古書のみ
南太平洋で難破し、漂流した主人公がたどり着いた無人船で繰り広げられる迷宮世界

第10位『ガリヴァー旅行記
スウィフト著 平井正穂訳 岩波文庫 1070円
「巨人や小人、空飛ぶ島、馬の国へ旅する物語は皮肉なユーモアに富み、比喩も巧み」

『週刊現代』2019年6月1日号より

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