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大塚家具、リクシルが示す「ガバナンス強化」のお粗末な実態

国は推進しているけど…

社外取締役の推奨から義務化、指名委員会、報酬委員会、監査役設置会社……国を挙げての、上場企業に対するコーポレートガバナンス強化の流れが続いています。それ自体は決して否定しませんが、残念ながら不祥事めいた騒動や事件は後を絶たないのが現実です。

制度を整えてきたことで、ガバナンスを取り巻く環境は改善しているのでしょうか? 残念ながら、以下に見る通り、とても改善しているとは言えない状態であることがわかります。

居座れてしまう経営者

例えば、大塚家具。親子喧嘩と揶揄される騒動があり、経営者が父親から娘に変わったのは記憶に新しいでしょう。このケースでは、交代は法的手続きに則って行われていますから、不祥事ではありません。しかし、業績推移を見ると2015年12月期は売り上げ約580億円・経常利益約6億円から毎年悪化して2018年12月期には売り上げ約374億円・経常損失約53億円と、収益力も財務体質も大きく悪化しています。

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ガバナンスの観点からいえば、問題はむしろ、こうした結果を出しながらも、同じ社長が継続していることではないでしょうか。ところが、世間では、経営者の交代についての(法的な点ではなく)道義的な意味合いについて取り上げられることはあっても、業績を悪化させ続けている経営者が居座っていることへの関心は意外なほど低いです。

大塚家具は世間でも注目されたわかりやすい事例ですが、毎年業績を落としながら同じ人が延々と社長の椅子に座り続けているケースは珍しくありません。本来、上場企業であれば社長が親か娘といったことは重要ではなく、だれが業績を悪化させているのかが、問題視されるべきではないでしょうか。

 

形式以上のパワーを持つ権力者

業績的には安定しているものの、経営者の選定過程の不透明さが問題視されるケースも少なくないです。代表的なのが住宅設備の大手LIXILでしょう。同社は、外部から招聘した大物著名経営者が短期間でコロコロと替わる上に、それらの経営者を招聘した会長自らが復帰したり辞職したり、さらにはその後も子飼いの人間を置いておこうとしたりして様々な憶測を呼んでいますが、わかりやすい例と言えるでしょう。