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「地方銀行」という構造不況業種はもうこのままでは生き残れない

環境変化を理解すれば転換の姿もわかる

貸出という本業が利益を生まない

今日、銀行、なかでも地域銀行(地方銀行および第2地方銀行)の置かれた環境は、構造不況といってよい。ただこれは、1990年代のバブル崩壊で、企業業績が停滞し金融機関も同時に苦境に陥るような、経済全体の環境下で厳しい状況に陥っているというわけではない。

それでも、今日、一般企業の業績は改善しながらも銀行だけが苦境になるのは構造不況と表現されても仕方ない。2018年度の地域銀行の決算も出揃ったが、厳しい収支状況が裏付けされた。

しかし、こうした地域銀行の収益環境の厳しさは一般の人の目からはなかなか分かりにくいのが実情だ。いぜんとして、銀行儲け過ぎ論や優越的地位に関する議論がでるのは、戦後の規制下で超過利潤を享受していた頃の固定観念もあるだろう。

 

そこで、今日、銀行の置かれた環境を示してみたい。構造不況とされる状況を最も端的に示すのが図1だと考えている。

図1は、借り手である企業業績と投資家への収益還元を示したもので、企業の稼ぐ当期純利益は今やバブル期を大きく上回る水準にある。だが、収益還元上、貸し手(銀行等)が獲得する借り手(企業)の支払利息水準は極めて限界的である。

法人企業統計では、日本企業の2017年度の当期純利益は61兆円と空前の水準で、90年バブル期の約3倍、2006年サブプライムバブル期の倍以上だ。

一方、支払利息は6.2兆円まで低下し、ようやく下げ止まりの兆しを見せているものの、現在の金融環境が続けば、2020年代には6兆円割れとなる。

利息収入の総額がここまで低下しては、貸出業務に多くを依存した商業銀行のビジネスモデルは機能しにくい。なかでも、国内での貸出を中心とした預貸業務への依存度合いが高い地域銀行は苦境に陥りやすい。

しかも、マイナス金利を中心にした超金融緩和の政策環境下、支払利息は依然低下傾向が続くと予想される。ここまで支払利息のパイ全体が縮小すれば、金融当局から貸出拡大やスプレッド拡大を促されても実現は困難だ。