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トランプのファーウェイ潰しで、いよいよ世界は二つに分断される

これは米中「最終覇権戦争」の狼煙だ

世界は「親中」と「反中」に分断される

米国のトランプ政権が打ち出した中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)に対する制裁措置で、米中対決は新たな次元に突入した。米国では「技術の冷戦」「デジタル版・鉄のカーテン」といった言葉が飛び交っている。これから、何が起きるのか。

米通信のブルームバーグは5月20日、オピニオン・ページで「この制裁は世界を2つに分断し、技術の閉鎖的空間で互いを隔てる『デジタル版・鉄のカーテン』を作るプロセスを加速するだろう」と指摘した(https://www.bloomberg.com/opinion/articles/2019-05-20/huawei-supply-freeze-points-to-u-s-china-tech-cold-war?srnd=opinion)。

ニューヨーク・タイムズも同日、「技術の冷戦が始まった」という見出しで、トランプ政権の制裁方針にしたがって「グーグルやクアルコム、ブロードコムといったハイテク企業がファーウェイへのソフトや製品の供給を止めた」と報じた(https://www.nytimes.com/2019/05/20/business/dealbook/dealbook-briefing-techs-cold-war-just-started.html?searchResultPosition=3)。

グーグルなどが携帯電話用OS(アンドロイド)や半導体の提供を止めれば、ファーウェイが独自にOSや半導体を作ったとしても、多くの消費者は不安が残るファーウェイ製品を避けるだろう。デジタル世界は結局、親中国(中国のみかもしれない)と反中国の2つの勢力に分断されていく可能性が高い。

 

私はかねて「米中貿易戦争は米中新冷戦の一部にすぎず、本質は世界の覇権をめぐる米中2大国によるガチンコ対決」と指摘してきた(最初は2018年7月20日公開コラム、https://gendai.ismedia.jp/articles/-/56615)。まさに、今回のファーウェイ制裁がそれを証明している。

米国のロス商務長官が「ファーウェイ制裁は貿易交渉と関係ない」と語ったように、これは米国の安全保障政策そのものだ。ファーウェイは米国の通信網に入り込むことによって、米国の機密情報に触れたり、通信機能そのものを脅かす可能性があった。

制裁関税という手段で戦われてきた貿易戦争は、両国の経済的利害に直接、関わっていた。だから、トランプ大統領が「ビジネスの話」と割り切るのであれば、交渉によって妥協が成立する余地はあった。だが、ファーウェイ問題はそうではない。

究極的にはファーウェイを潰すか、少なくとも米国と同盟国から追い出さなければ、米国は安保上の懸念を払拭できない。トランプ政権が制裁関税の強化に続いて、ファーウェイ制裁に乗り出したのは、中国との対決が非妥協的であるからにほかならない。

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