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米中対立、中国政府が次に仕掛ける「7.0の攻防」の危ないシナリオ

トランプ・リスクに火がつきかねない

絶対防衛ライン

5月17日のロイター報道は「中国人民銀、1ドル=7元超える元安は容認せず」と題し、人民元相場に関し、中国当局者が「1ドル=7.00元」を絶対防衛ラインと見做しているとの関係筋談話を報じている。

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5月に入ってからの米中貿易戦争激化に合わせて人民元は対ドルで一方的に値を下げており、そこに追加関税の悪影響を相殺したいという意図を読み取ろうとする向きは多い。なお、5月下旬に入ってからもドル/人民元相場は年初来安値水準での推移が続いている。7.00を巡る攻防戦は昨年11月にも見られ、ここでは相応の実弾(為替介入)まで投じた中国の防衛政策が辛うじて奏功し、ぎりぎりのところで7.00を守り切った経緯がある(以下図)。

今回のロイター報道で紹介されている関係筋も為替介入や金融政策手段を通じて「1ドル=7元」を超える元安を阻止するとの考え方を披露している模様で、具体的には「現時点では、7元を超える元安を容認しないことは確実だと思う」、「7元を超える元安は、関税引き上げの影響を一部相殺できるので、中国にとってメリットはあるが、人民元の信認に悪影響が及び、資金が流出する」といった発言を紹介している。

 

こうした見方は標準的なものだが、①すでに米国の対中輸入2000億ドルについて25%の関税が発動されていること、②残額の約3000億ドルについても25%の課税が検討されていること思えば、昨年11月時点と同程度の(7.00を超えない)人民元安が中国経済にとって十分な防波堤になるのかどうかは定かではない。