# 日本経済

2020年~2021年、景気トレンドの「大転換」がやってくる…!

重要な経営判断が迫られる
中原 圭介 プロフィール

最高の経営判断とは…

それとは対照的に、絶好の事業拡大の機会を探るという視点から見れば、(5)「景気後退が続いているという判断」(6)「景気後退が終わるという判断」の二つが重要になります。

とくに(5)の判断では、景気が世間が考えていたより悪化した場合、国内外を問わず拠点を設けるときの設備投資のコストが安くなるうえに、その拠点を設ける自治体からも雇用が増えることで感謝されるし、優遇策や振興策が施される可能性もあるからです。さらには、工場の稼働や投資権益の獲得が(6)「景気後退が終わるという判断」の時期に重なれば、最高の経営パフォーマンスを上げることができるというわけです。

私が考える理想的な景気判断とは、景気の拡大が続いているうちに、あと2年~3年くらいで終わるだろうというタイミングで判断することです。

 

というのも、企業が工場を建設すると決定してから稼働するまでの期間は、通常は2年~3年はかかりますし、長いケースでは4年~5年もかかるケースがあるからです。仮に2年~3年のうちに投資対象国の景気拡大期が終わるという予測が立てられれば、工場の建設を撤回したり、工場の規模を縮小したりと、対応策を講じることができるというわけです。

当然のことながら、逆のパターンもあります。投資対象国で景気の後退が続いているとき、あと2年~3年くらいで景気後退期が終わるだろうという予測が立てられれば、それも理想的な判断になりえます。景気の拡大期が始まる頃合いを見計らって、工場の建設や採用の拡大を展開することが可能となるからです。

企業の経営者はもっと景気後退期から景気拡大期になるタイミングを意識しながら、積極的に投資するよう心がけるべきでしょう。それができるようになれば、10年後には企業の成長力に雲泥の差がつくはずです。

今回の連載で申し上げた景気を見極める判断力だけでなく、ビジネスモデルを磨く能力までも持っていれば、その経営者は鬼に金棒でしょう。

なお、商社が資源の権益の買収・売却や企業のM&A(合併・買収)などでは、半年前~1年前に市場トレンド(経済トレンドではない)の転換点を見極めることができれば、年月を要する設備投資などとは異なり、時間的には十分に余裕があると考えています。

たとえば、銅の価格が半年後に長期の上昇トレンドに入るだろうと予測できれば、銅鉱山の権益を急いで買収することができますし、その反対に暴落するだろうと予測できれば、権益の売却を多方面に打診して売却にこぎつけることだってできるというわけです。