故・萩原健一さんが自らの言葉で明かした「ショーケン」という生き方

「病を公表する気はまったくなかった」
現代ビジネス編集部

自分に飽きていない

萩原さんが最後まで貫いたのは、「いまを生きる」ことだった。

自分ががんであることを公表しなかったのも、そうした思いからだった。

〈がんを公表する気はまったくなかった。そもそも自分の病を世間に知らせる必要がどこにあるのか。大切なのは、前を向いて「いまを生きる」ことだ〉

そうした生き方は「自分に飽きていない」という言葉にも表れている。

〈この歳になると、それまでとは違う自分を誰も見出せそうとはしないものだ。ある固定したイメージの枠に収めて、それ以上は求めない。

しかし、萩原健一が知らない萩原健一がまだ自分の中にあるはずだ。自分もまだ知らないけれど、それはたとえば人生の困難に直面したときに立ち現れる。私が病を得て、これまでとは違う自分を発見したように。

私はまだ自分に飽きていない〉

 

萩原さんは、「はじめに」で次のように書いている。

「たとえ病におかされていても、私はつねに新しい表現を追い続けてきた。病気かどうかにかかわらず、人は歳を取ればできなくなることが増えてくる。しかし、それは工夫次第で乗り越えることができるし、新たに見出せることもある」

歳を取ったことを嘆き、自分ができなくなったことに落ち込むのではなく、歳を重ねた新たな自分を発見する。一日一日を大切にして「いまを生きる」。ショーケンが最期まで見せてくれた生き方は、私たちにとってもヒントに満ちている。

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