故・萩原健一さんが自らの言葉で明かした「ショーケン」という生き方

「病を公表する気はまったくなかった」
現代ビジネス編集部

いまがいちばんカッコいい

カッコよかった若い頃の自分のイメージにとらわれ、いつまでもそこから変われない人、昔の自分といまの自分を比べて嘆く人は多い。しかし、萩原さんは歳を重ねたいまの自分を使ってどう表現するかが大切だ、と言い切る。

〈(ボブ・)ディランやキース(・リチャーズ)は、現在の自分の肉体を使って表現するのが抜群にうまい。過去のイメージにとどまったり、若いころの思い出と一緒に足踏みしたりするのではなく、いまある自分という素材を使っていかに表現するか。

「僕らの時代は『傷だらけの天使』なんです」と言うスタッフはいまもいる。過去の作品は自分が生きた証であり財産だが、生きている限り、現役でいる限りは、これまでの人生でいまが最高、いまがいちばんカッコいいという姿を、先頭を切って見せたいと思う〉

そんな彼にとって、病で変化した自分の状態もまた、新たな表現へとつながっていく。

 

たとえば抗がん剤の副作用で嗄れた声をどう利用するか、どのように演技に生かすかを考える。

〈人の発する言葉は一つのトーンではない。非常に弱々しくなった人間の心理と感情をどう表現するか。かすれた声がその一つの引き出しになるかもしれないというアイデアが頭を巡る。それはまだ自分に残された知恵のひとつだ〉

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