「もっと演じたい」ショーケンが貫いた、生き抜くという矜持

昭和と平成を駆け抜けたスターの最後
週刊現代 プロフィール

一人の男としてどうなのか

穏やかな日々は突然破られる。2015年、がんの再発を宣告されたのだ。萩原さんはその時の衝撃をこう振り返っている。

〈一瞬、頭の中が真っ白になった。何も考えられなかった。健康に気を遣っていても、病気になるときはなる。考えてみれば、母親も姉もがんのために亡くしている。私も遺伝的にはがん体質だ。

ああ、そうなのか、と思った。「まあいいか」でもなければ、かといって「病気と闘うぞ」でもない。まるっきり現実感がなかった。

ジストの再発がいったい何を意味して、これから何が起こるのか。その後、病状がどんどん悪化することなど、このときは想像もつかなかった。それでも検査を受けなければ、さらに発見が遅れていたに違いない。それを思うとゾッとした。

 

それから二日ほどして思った。

これは行動を起こさなきゃダメだな。でもどうやって行動に移せばいいんだ?

このまま治療に専念するのも一つの選択だろう。しかし、ゴシップや病気のために妻に迷惑をかけてばかりの人生で終わるのか。それは一人の男としてどうなんだ?〉

がんの再発時、主治医から告げられた余命は5年だった。遺される者、今後の生活のことを考え、2年前に新築したばかりの自宅も手放した。