がんは治る病へ──。「5年後生存率は67.9%」データが示す現実

最新「生存率」の分析から判明したこと
サイエンスポータル プロフィール

進行度別では調査対象の18種類のがんのすべてで「4期(原発部位から他の部位に転移したがん)」の生存率が顕著に低かった。早期発見・早期治療開始がいかに重要であるかがわかる。

「5年生存率」は2008~10年に診断された約14万人のデータを分析した結果だ。全体では67.9%で、前立腺は100%だった。続いて乳房(女性・93.9%)、甲状腺(92.8%)、子宮体(85.7%)と高く、これらは進行度を問わずほぼ「治るがん」であることを強く印象付けた。

すべてのがんの5年後までの生存率の推移。5年後は67.9%
(提供:国立がん研究センター・全国がんセンター協議会)

一方、「5年生存率」でも膵臓は9.2%、胆のう・胆道は28.0%で、「10年生存率」同様に厳しい数値が出ている。

「5年生存率」でも早期発見が極めて重要であることを示しており、胃がんを例にみると、進行度「1期」で発見された場合、「5年生存率」は97.4%だが、進行がんとなった「4期」では6.9%と顕著に下がってしまっていた。

「オプジーボ」は難治がんに効き目があるのか?

前立腺がんは初期では症状が現れにくいため、以前は発見が遅れがちだった。しかし腫瘍マーカーの登場・普及によって「早く見つければ怖くないがん」の代表格になった。言うまでもなく、がん治療は病巣がまだ小さいうちに見つけ、部位ごとの最善の方法で治療するのが基本だ。

健康診断や人間ドックでの内視鏡検査の導入や、外科的措置と抗がん剤投与・放射線治療などを組み合わせた最適治療法の普及が生存率の向上に大きく貢献しているのは間違いない。

内視鏡検査 Photo by gettyimages

今後も発見技術や治療法の進歩によって、多くのがんの生存率が上昇することが期待されている。

一方で膵臓や胆のう・胆道などのがんは早期ではエコー検査などでも見つからないケースが多く、こうした難治がんをいかに安価で簡単な方法で見つけるかが、当面のがん医療の大きな課題だ。