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GDP2.1%増でもやっぱり高まる「消費増税延期の可能性」

景気後退はいよいよ鮮明に

成長率UPでも景気悪化

5月21日の夜、自民党の最大派閥である「清和政策研究会」(細田博之会長)の政治資金パーティーが開催された。安倍晋三首相を送り出している派閥ということもあり、メイン会場はすし詰め状態、画像でつないだ第二会場も満員という大盛況ぶりだった。

駆けつけて挨拶に立った安倍首相は、雇用の増加など経済運営の成果を強調した上で、こう語った。

「1−3月期のGDPは2.1%増という成長となりました」

前日の5月20日発表された1-3月の国内総生産(GDP)の数字を挙げたのである。確かに、表面的に見れば、実質0.5%増、年率換算で2.1%増というのは「良い結果」に違いない。前の期である2018年10−12月期は年率換算で1.6%増だったので、それを上回る結果だったことになる。

だが、大方のエコノミストはこのGDPをみて、景気の悪化を指摘している。どういうことか。

0.5%増という高い伸びになったのは、「純輸出」が大きく改善したため。しかし中味を見ると、2.4%減の輸出に対して、輸入が4.6%減と大きく減ったことから、差し引きで貿易が好転しているように見えていることが主因なのだ。輸入は実際の数字である名目では8.0%も減っており、国内景気の急速な悪化を示しているのだ。

 

もちろんプラスになったものもある。公共投資が実質1.5%増、住宅投資が1.1%増といった具合だが、公共投資は国土強靭化対策などで公共事業を政府が積極的に積み増しているため。住宅投資は消費増税を控えた駆け込みが背景にあるが、駆け込みというには増加率は小さい。

ただ、注目されていた個人消費は0.1%のマイナスと再びマイナスに転落した。足元の消費はかなり弱いのだ。

5月21日に発表された日本百貨店協会の4月の全国百貨店売上高は、前年同月比マイナス1.1%だった。消費増税まであと半年となり、本来ならば駆け込み需要が膨らむタイミングなのだが、売り上げは膨らんでいない。

駆け込み需要が期待される「美術・宝飾・貴金属」の売上高の伸びも8.8%増にとどまっている。一見、大きく伸びているように見えるが、前回の消費増税した2014年4月の半年前である2013年10月の同部門の伸び率は19.7%増だった。

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