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「安倍改憲」を支える神社本庁総長選「異例の4選路線」の舞台裏

一度は辞意を口にしたはずが…

異例の4選

夏の参院選できちんと改憲を訴えていこう――。

安倍晋三首相は、17日、側近の下村博文・自民党憲法改正推進本部長と会い、党をあげて改憲に向けての動きを明確にし、それを有権者に訴えることで一致した。

憲法改正は、自民党の綱領に定められており、安倍首相の信念である。「選挙で憲法を正面から掲げることが得策なのか」という声が党内にはあるが、ぶれずに訴えかけようとする安倍氏の姿勢は正しかろう。

その改憲を、党外から支える草の根組織が日本会議である。宗教団体をはじめとする保守勢力が、建国記念日制定、靖国神社国家護持、元号法制化などを共通の目的として糾合、97年5月に結成された。

 

「草の根」だけに核になる人員や拠点を持っているわけではないが、その“代役”を果たしたのが神社本庁である。都道府県に神社庁という組織を持ち、2万の神職で8万の神社を包括する。69年には神道政治連盟を結成、皇室を尊び、日本の伝統的国家理念を護持、推進する運動体とした。

現在、安倍政権と神社本庁が、不思議なくらいの相似形を成している。

神社本庁を率いるのは、石清水八幡宮の宮司で、日本会議副会長でもある田中恆清(つねきよ)総長。その側近が神道政治連盟の打田文博会長で、打田氏は日本会議系美しい日本の憲法をつくる国民の会で事務総長を務める。

田中総長は、3期9年の任期を勤め上げ、昨年、一度は辞意を口にしたものの、4選を目指し、これまで多数派工作を行なってきたという。

「4選というのは聞いたことがない。田中―打田体制が続くうち、百合丘宿舎問題(後述)など強権支配体制の歪みが露呈した。今、辞めれば、新体制によって利権癒着を暴露されるかも知れない。だから継続して『蓋』をするということだろう。安倍首相が3期9年の総仕上げに改憲の動きを鮮明にしていることへの連帯、という“言い訳”も立つ」(有力宮司)

異例の4選は、5月23日から25日までの3日間で行なわれる神社本庁評議員会の最終日に決定する。25日、約170名の評議員会で、まず統理の選挙が行なわれる。その後、選考委員会によって理事選挙が行なわれ、17名の理事が承認され、評議員会後の臨時の理事会で理事のなかから、統理が総長を指名する。

統理と総長――。

神社本庁憲章に基づき、同庁を代表するのが統理で、神社本庁庁規に基づき、宗教法人神社本庁の代表を務めるのが総長。つまり「権威」が統理で、「権力」が総長である。