家計を圧迫する「通信費」
ここ数年、家計相談の現場で気づくことがあります。それは、スマートフォンやインターネット回線、固定電話の費用といった「通信費」の家計に占める割合が大きく、家計を圧迫している家庭が多いことです。

そうした家庭に限って、家族全員が大手キャリアのスマホを使っており、大損しているケースが少なくありません。
「毎月の家計が赤字になって困っています。何が原因なのでしょうか」
太田さんは、奥さんと中学生の子ども2人の4人家族。毎月の家計が赤字で困っていると、奥さんを連れて家計相談にやって来ました。
さっそく、家計の状況を聞いてみると、スマホやインターネット回線の費用、つまり「通信費」が重くのしかかっていました。
それもそのはず。4人全員が大手キャリアのスマホを使っており、一家の通信費は1ヶ月になんと3万6000円もかかっていたのです。
私はそんな太田さん家族に、格安スマホへの乗り換えを提案しました。
しかし、太田さん本人はあまり乗り気でないよう。
どうしてでしょうか?
1人1台は当たり前、なかには2台持ちする人もいるほど普及したスマホ。昨今は、通信料金や機種代も安い“格安スマホ”も登場していますが、太田さんのように大手キャリアから切り替えられない人が少なくありません。
切り替えない理由としてよく聞くのが、「今は、機種変更する時間がない」というもの。家計相談に来る時間はあるのですから、そんなはずはないのですが……。
このような回答をしがちなのが、スーツをきちんと着て真面目そうで“保守的”なサラリーマンです。そんな人が決まっていうのが、「格安スマホに変えるのはいいと思うのですが……」なのです。