WHOが調べた12種類の「認知症予防法」唯一ネガティブなのは…

今月の科学ニュース「サプリは無駄?」
熊谷 玲美 プロフィール

おすすめは「地中海式食生活」

認知症予防に限らず、健康的なライフスタイルというのはなかなか難しい。たとえば、バランスの取れた食事が大切だとわかっていても、なかなか実現できないのは、多くの人がダイエットなどで経験していることだと思う。

実はこのWHOのガイドラインでは、バランスの取れた食事の例として、ある具体的な食生活をあげている。穀類や果物、魚、豆類、野菜、オリーブオイルなどを多く摂り、肉や乳製品を少なくする「地中海式食生活」だ。

地中海ダイエットPhoto by Marco Verch / Flickr

地中海式食生活は、認知機能との関連が最も大規模に研究されている食事法であり、特にその食事法をしっかりと守っている人では、認知症のリスクを低くする効果がみられたという。

地中海式食生活で摂取する食品では、果物と野菜、魚の摂取には、認知症予防に一貫した効果がみられた。特に魚は、多く摂ることで記憶力の低下を抑えるという。

予防とともに力を入れるべきこと

もちろん、このガイドラインが認知症予防についての最終的な答えとはいえなさそうだ。

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのロバート・ハワード教授は、推奨された項目についても、現時点でのエビデンスにはまだ不確実さがあると指摘して、「このガイドラインを、予防にかんする質の高い臨床研究への投資の引き金とすべきだ」と述べている

dementiaやれることはいろいろある Photo by K. Kendall / Flickr

さらにいえば、ほかの病気や遺伝的な要因で、認知症の可能性が高くなる場合もある。そういう意味では、予防がすべてだと考えるのも現実的ではないのかもしれない。

認知症になったときにも自分らしく暮らしていける、そんな世の中にするための準備にも、予防と同じくらい力を入れていかなければならないのだろう。

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