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地球惑星科学の第一人者が考える「伝統的科学」vs.「最先端科学」

ビッグデータ時代の到来と科学の未来
私たちの生きる地球全体を研究対象とする「地球惑星科学」。

「惑星はどうしてできるのか?」「生命はどこから来たのか?」といった問いも、この分野に含まれる。現在、ビッグデータ時代の莫大な観測データを介して、この地球惑星科学の分野では、かつて別々だった学問領域の連携がどんどん密になってきているという。


さらには「大気と海洋、そして地殻の研究との関連もどんどん深くなっていて、最終的には一体化していく」と、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 藤井良一機構長は展望する。地球惑星科学という壮大な営みから、これから何が解明されようとしているのだろうか?
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地球惑星科学を捉えるための2つの観点

地球惑星科学には大きく2つの課題がある。

「われわれ人類が生存している地球をどう捉えるか?」ということ、そしてその外側を含めた「太陽系ってどんなところだろう?」という問いに答えることだ。

藤井「宇宙、なかでも地球に近いジオスペースが、人類が活躍するたいへん重要な場になってきています。気象衛星、通信衛星、GPS(全地球測位システム)などの社会インフラが非常にたくさん宇宙に進出していて、もはや宇宙なしでは現代社会の活動レベルは保てません」

近年特に、インフラの維持・保全といった社会的重要性が増していることから、「宇宙という環境を予測する宇宙天気予報のような研究が進められている」のだという。

もう1つの重要な観点は「宇宙の中の地球」である。

藤井「たとえば、光で画像を捉えたり、電波でエネルギーを測ったりして太陽系を観測すると、実は宇宙の他の場所でもよく似た現象が広く見られるということがあります。もしかしたらそれらの基本原理は同じかもしれません。

しかし本当に理解するには、実際にその場所へ行くなどして、もっと精密に観測しなければなりません。人類が行ける場所となると、やはり地球近傍で確かめるしかない。