Photo by GettyImages
# 働き方改革

日本人の働き方に大異変、みんな「60歳過ぎても働く社会」は幸せか

一流企業が続々「定年延長65歳」

元部長は1年で辞めた…

1970年代、日本のサラリーマンは55歳で定年を迎えた。それがいまや、60歳過ぎても働くことが当たり前になろうとしている。

三井住友銀行が、来年1月から正社員の定年を60歳から65歳に延長する予定であることが明らかになった。メガバンクでは国内初だ。

Photo by iStock

すでにサントリーやイオン、ヤマト運輸、大和ハウス、オリックス、本田技研工業、明治安田生命保険などの大手企業でも、「65歳定年制」は実施されている。

「再雇用制度」と比べると、65歳定年制は働く側にとって、いくつかのメリットがある。60歳から5年間の雇用が保証される、福利厚生制度が継続される、企業年金が上積みされるなど。だが、60歳を超えて会社に残っても苦労は絶えない。

 

人事ジャーナリストの溝上憲文氏が言う。

「会社側は高年齢者雇用安定法により、60歳以上の社員を簡単に辞めさせることはできません。

そのため、私が取材した一部上場の食品会社社長は、『自分から辞めてもらいたいから、60歳以降は物流倉庫や工場勤務にさせることもある』と話していました。そうすると慣れない仕事なので、ほとんどの方は65歳手前で辞めてしまうそうです。

ある大手百貨店ではこんな話を聞きました。元部長が60歳以降も同じ職場に残ることになった。この元部長は、これまで通り部員に上から目線で指示を出していた。

すると、部員たちが結束して、元部長にタメ口で話し始めた。専門性もなく、人間性も良くない60代を、『この人は権限もないし、長くても5年で辞めるのだから』と若手は考えるんです。結局、元部長は1年で辞めたそうです」