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地銀の株価が大幅下落…! 減益決算だけではない「隠された理由」

地銀に次の手はあるのか
大槻 奈那 プロフィール

減益予想だけではない「株価下落の真因」

今期計画の詳細は今後の説明会で明らかになるが、恐らく、利鞘の低下が(前期よりはマシながら)続き、投信販売等も振るわず、運用利益も保守的に見積もられ、与信費用も横ばいから増加と、環境の厳しさがにじみ出る内容となっていると思われる。

しかし、このところの地銀株下落は、減益予想だけでは説明がつかない。減益傾向はそもそも想定内だったためだ。

この原因は、株主還元への不満である。どの地銀(国内基準行)も、自己資本比率が、規制の4%を大きく上回っており、株式市場は資本が余剰であると考えている。実際、地銀セクターでも自社株買いはコンスタントに行われており、市場の期待に合わせてきた。

 

ところが、日銀が半期ごとに発表している「金融システムレポート」では、株式市場とは全く異なる見方が示されている。地銀は今後減益傾向が続き、10年後の悲観シナリオでは60%が当期利益赤字となるとしている。このため、昨年来、地銀が過度に株主還元している可能性を指摘している。

このような環境では、地銀としては、株主還元を強化するわけにはいかない。結果として、株式市場の期待を満たせなかったことが昨今の株価の下落に繋がったとみられる。中には、配当性向のメドを示し、減益の時には減配もありうるという方針を明示しているにも関わらず、いざ減配を発表すると株が大きく売られた銀行もある。

今期減配計画とする銀行としては、例えば、山形銀行(8344、19/3月期年間配当35円→20/3月期30円)、北國銀行(8363、80円→70円)、栃木銀行(8550、7円→5円)などがある。与信費用や運用収益がやや保守的であるため、期中に利益が上方修正される可能性もあるが、それでも増配や自社株買いに踏み切る銀行は多くないだろう。