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親が貯めた3000万円は丸々相続、実家は相続放棄、どうやった…?

元国税のプロが教える
近年大きな問題になり、今後ますます深刻化していくと見込まれるのが、両親の家(=実家)の相続。両親が亡くなった後、子供たちが誰も住まなければ実家は処分するしかないが、相続した後に売ろうとしても売れない例が増えているのだ。しかし、大阪国税局出身の秋山清成税理士(相続税専門)は、この深刻な悩みに対して「対策方法はあるんです」と言う。元国税のプロが教えるその秘策とは――。
 

売れない実家

まず、空き家を処分できずに大変困っている実例を挙げます。

2年前、関西の都市部に住む50代のサラリーマン男性の父親が亡くなりました。

母親はすでに亡くなり、兄弟のいない男性が唯一の相続人です。農家だった父親が遺した財産は、郊外の戸建てと小規模の田畑、そして約900万円の貯金でした。

男性は都市部でマンションを購入して妻子と住んでいるため、父親の家と田畑は必要なく、相続後に売却するつもりでした。父親の家の周囲は空き家が増えており、「売れるかな……」と不安が頭をよぎったそうですが、何とかなると考えたようです。

しかし、何とかならなかったのです。

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なお、男性には相続税は掛かりませんでした。相続税は、<基礎控除3000万円+相続人1人につき600万円>を超えると掛かります。男性の場合、父親の財産が3600万円を超えた時に相続税が掛かりますが、家と田畑は価値が低く、貯金を足しても相続財産は2000万円弱で、相続税は掛かりませんでした。

男性は貯金900万円を相続し、父親の家と田畑を自分名義に変更し、滞りなく相続を終えました。

問題は、2年が過ぎた今でもその家と田畑が売れないことです……。