スピード感と密度がケタ違い「ネット時代のドラマ」の新しい傾向

若者は「情報量の濃さ」を求める
石川 香苗子 プロフィール

『会社は学校じゃねぇんだよ』方式の可能性

長尺のドラマを見続けるのがつらくなった視聴者に向けて、近年、短尺でハイテンポなドラマがネット発で生まれています。なかでも、インターネット時代の新しいドラマのフォーマットを提示しているといえるのが、2018年にAbemaTVで放映され、若い層を中心に大きな話題となった『会社は学校じゃねぇんだよ』です。

番組公式ページより

原作・藤田晋、脚本・鈴木おさむによる本作は、本編が30~40分と短尺で、ハイテンポなストーリー展開。本編が終わると、そのまま出演者が登場するメイキングへ突入する流れで、熱が冷めないうちに、視聴者とより濃いエンゲージメントを築く仕掛けがつくられています。

 

日テレの「日曜ドラマ枠」の先読み力

地上波でも、これに近い形態のテレビドラマは存在します。日本テレビの日曜22時半、日曜ドラマ枠です。2019年1月期に放映した『3年A組』や2018年1月期に放映した『トドメの接吻』、変化球ですが、2018年10月期『今日から俺は!!』もこの枠で放映されたものです。

番組公式HPより

放映時間は60分とプライムタイムでは一般的な長さですが、『3年A組』や『トドメの接吻』では視聴者を引きつけるために、特に最初の数分は短いシーンを連続的に繋ぐ「動画的な」手法を用い、ストーリーは二転三転どころか各話ごとに“謎”の真相が変わる目まぐるしい展開で最後まで飽きさせません。

また、この「日曜ドラマ枠」は、その直前に『おしゃれイズム』というトーク番組が放映されています。この番組では日曜ドラマのキャストがゲスト出演し、プライベートについて明かすこともしばしば。『おしゃれイズム』で視聴者とエンゲージメントをつくってから、ドラマに突入するのです。

これはまさに『会社は学校じゃねぇんだよ』の「ハイテンポなストーリー・本編直後にメイキングを放映する」という構造に似ています。

日本テレビのドラマについては、SNS向けの動画コンテンツをいち早く手がけた動画集団ワンメディア株式会社の明石ガクトさんも注目しており、2018年11月に行われたカンファレンス「PR3.0」で、「日本テレビのドラマは1シーンの秒数が短く、どんどんシーンをつないでいく」と指摘しています。

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