photo by Getty Images

「徹底抗戦か自己改革か」米中摩擦巡り中国国内で広がる大激論の中身

当局は政権批判への転換が最も怖い

米中貿易摩擦は新たな段階に入った。トランプ大統領の不意打ち的な対中関税引き上げ方針の表明に対し、中国政府やメディアは当初沈黙を強いられたが、すぐに「決して譲歩しない」と強気の態度を表明した。

だが政府系メディアの強気の姿勢とは裏腹に、民間世論は必ずしも対米批判一辺倒ではない。ネットを丹念に見ていくと、世論のもう1つの声も見えてくる。米中摩擦はまさに、中国の改革派と保守派の対米関係、そして国内の体制改革を巡る路線闘争の場にもなっているのだ。

習近平「私には人口、武器、微博がある。あんたはどうやって私と戦うつもりだ?」 、トランプ「ツイッターがあるさ」、 中国の個人投資家(株が暴落)「ああああああ~!」:中国SNSの投稿より

一方の主役、中国政府系メディアは、日本のメディア報道でも取り上げるように、あくまで強気だ。

 

戦いを恐れない

「貿易戦争に対し、中国はとっくに態度を表明している。戦いたくはないが、戦いは恐れない、必要な時はやむを得ず戦うということだ。硬軟使い分ける米国に対し、中国はとっくに答えを持っている。話し合うなら扉は開かれているし、戦うなら、最後まで相手になるということだ。米国が発動した対中貿易戦争は、中国が発展する上での1つの正念場だが、大したものではない。中国は危機をチャンスとし、自らを検証する能力を持っている。それが国家をより強大にするのだ。」

米国が対中制裁関税の第3段として2000億ドルの中国製品への関税を25%に引き上げると発表後の13日、中国中央テレビのアナウンサーは強い口調で人民日報の論評の一部を読み上げた。短い文章の中に「打(戦う)」が4回も登場、貿易戦争を「受けて立つ」姿勢を明確にした。

この動画はネットで30億回以上再生されたという。

対外強硬路線で知られる環球時報の胡錫進編集長はその1週間前の6日、微博に次のように書いている。

「トランプは(北)朝鮮すら脅すことができないのに、中国のような大国をどうやって脅すことができるのか。貿易戦争に勝者はいない。これは宣伝ではなく、経済学の鉄則だ。米国大統領選が近づくに伴って、貿易戦争をエスカレートさせたトランプはまるで高く張られたワイヤーを命綱なしで渡るようなものだ。我々は落ち着いて、米国人の相手をしてやればよい」

フランス国際ラジオによれば、胡の民心をなだめようとするこの書き込みよりも、ネットではさらに過激な言論もあるという。「米国は中国のようなライバルと出会ったことはなかったが、中国は米国よりも十倍も百倍も凶悪な相手を相手にしてきた。米国は崖っぷちに追いやられた経験はないだろうが、中国は深い谷底から何度もはい上がってきた国だ。」