提供:サッポロ不動産開発株式会社
私の“気持ちいい”が、社会や地球のためになる――。そんな未来を目指す姿に共感して、FRaUがサポートしている「EBISU UPDATE PROJECT」。
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5月19日(日)に開催したスペシャル講座でもお話しいただいた、懐石料理教室主宰の入江亮子さんへのインタビューをEBISU UPDATE PROJECTのWEBページだけでなく、FRaUでも公開します。
日本伝統の食文化を伝えるべく、料理教室や講座を主宰している入江亮子さん。料理で出た野菜くずを使って出汁をとる「ベジブロス」は、“食材を残さず使いきる”という日本の精進料理の精神につながるといいます。野菜を無駄なく食すということは、ゴミを減らすこと以外にも、ソーシャルウェルネスにおいてさまざまなメリットが。無理なく続けていくためのヒントを教えていただきました。
食べるということは、
自然や生き物の命をいただくこと
何年も精進料理に携わってきた私にとって、本来なら捨ててしまう野菜の皮やヘタなどで出汁をとることはごく自然なことでした。大きく意識が変わったのが東日本大震災のとき。食料やライフラインが途絶えたことで、食べ物のありがたみを感じるとともに、改めて、食べるということは命をいただいていることなんだと感じたんです。そして、精進料理の精神を世の中に伝えていきたいという思いが芽生えたことが、現在の活動につながっていきました。
現代の女性は忙しい。
無理なく続けるには、時間のあるときにまとめて
ベジブロスづくりは最低でも1時間はかかるので、忙しい女性にとってはなかなか面倒なもの。無理をして小まめにつくろうとすると負担になるので、料理をしたときに出た野菜くずを冷凍しておき、時間のあるときにまとめてつくるのをおすすめしています。正しいつくり方なんてとくになく、ただ煮出すだけ。野菜の配分によって味に変化が出るのもまた、楽しみのひとつです。
自分なりのアレンジを加え、
ベジブロスを自由に楽しんでほしい
基本の分量の目安はあるものの、つくり方に決まりはありません。私は昆布や煎った大豆を入れるのが好きだし、にんにくなどの香味野菜やレモンなどの柑橘類を加えると、風味の変化が楽しめると思います。野菜の旨味成分であるグルタミン酸には、動物性の食品が持つイノシン酸が合うので、ハムやベーコンを少し加えると旨味の相乗効果で味にぐっと深みが出ます。作るたびに味が違うのはむしろ自然なこと。変化を楽しみながら自分なりの配合を見つけてみてください。
余らせない、ゴミにしない。
もったいないという
当たり前の気持ちが大事
サスティナブルな社会の仕組みが注目される今、「もったいない」が見直されるように。このベジブロスで使うのは、農薬を使った野菜なら廃棄する部位です。でも、無農薬や有機の野菜は、ふつうの野菜よりも割高で、どこでも買えるものではない。だからこそ「もったいない」という意識が自然と芽生えますよね。自分の美容や健康を考えて選択することで、結果的に、地球環境に負荷をかけないということにつながっていると思います。
旬の食材を楽しむことは、
環境問題解消の手助けにもなる
スーパーには一年中同じ顔ぶれの野菜が並び、その形や大きさは画一的。流通面では効率的ですが、本来なら地域や季節ごとに旬の野菜は変わり、形や大きさだって不ぞろいです。エネルギーや化学肥料を使って育てた季節外れの野菜より、手を加えず自然に育った旬の野菜のほうが栄養的にすぐれていることは、野生の感覚として理解できますよね。その季節にその土地で穫れる野菜を求める人が増えれば、農薬による土壌汚染やエネルギー問題を解消する手助けにもなるはずです。
PROFILE
入江亮子
懐石料理「温石会」主宰。四季をいかした懐石料理・郷土料理・精進料理・節句料理を教えるほか、茶懐石の出張、地域の特産品開発、メニュー開発などを行っている。きき酒師・日本酒学講師・酒匠として、日本酒と料理のマリアージュも数多く提案。カルチャースクールなどでの日本酒講座も多数。
http://onjakukai.com/
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提供:サッポロ不動産開発株式会社
Photo:Katsuhiko Hanamura Text:Sayaka Seko Edit:KNAX