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歴史的必然が教える、米中貿易戦争の「本当の終着点」

これは、貿易戦争で終わる話じゃない

「米中貿易戦争」の歴史的意味

先週は「米中貿易戦争」先々週は「野党壊滅」をテーマに書いてきた。2つのコラムには共通点があって、実は連動している。私は「ボロ負けの中国はやがて崩壊する」とみているのだ。今週はその点を、さらに掘り下げてみたい。

なぜ、私は「中国が崩壊する」とみるのか。

結論を先に言えば「民主主義vs. 独裁体制」という戦いは、歴史的に決着が付いているからだ。民主主義が勝利し、独裁が敗北している。中国は民主主義の国ではない。習近平国家主席の下で中国共産党が支配している独裁国家である。したがって、歴史の大きな流れでみれば、やがて崩壊する。

 

トランプ政権は5月15日、外国企業を含む企業が華為技術(ファーウェイ)に対して、米国のハイテク製品や技術を輸出するのを原則として禁止する新たな規制を発表した。これによって、日本企業もファーウェイに米国製品を輸出できなくなり、同社は一段と厳しい立場に追い込まれた。

中国との貿易戦争で米国が断固として譲らないのは、独裁国家の中国をこれ以上、やりたい放題にさせてしまえば、米国が中心になって築いてきた世界秩序を根底から脅かす懸念がある、とみているからだ。言い換えれば、世界の覇権を中国に奪われてしまいかねない。

中国の意図は南シナ海の現状が示している。中国は南シナ海でいくつも岩礁を埋め立て、軍事基地にした。すでに3000メートル級の滑走路は3本も完成し、地対空ミサイルや地対艦ミサイルも設置された。

米国は駆逐艦を派遣してけん制してきたが、南シナ海は事実上、中国の縄張りと化している。この問題は必ず、次の焦点になる。6月に大阪で開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議で米中首脳会談が開かれれば、そこで議論になる可能性もある。

つまり、これまで何度も書いてきたように、米中対決の本質は覇権をめぐる争いであって、貿易戦争は一部にすぎない。

にもかかわらず、日本のマスコミは貿易だけに矮小化して捉えていたから、ピンぼけ報道が続いた。たとえば、NHKは当初、貿易戦争を昨年11月の「米中間選挙まで」とか「トランプ政権の支持狙い」などと決まり文句のように報じていた。

最近になって、ようやく各社も「米中貿易戦争は長期化しそうだ」などと報じ始めたが、だからといって、貿易戦争に絡めて南シナ海問題を指摘するかといえば、相変わらず報じない。それは、経済記者が安全保障問題を理解していないだけでなく、中国を敵に回したくない事情があるからだ。

昨年9月21日公開コラムで指摘したように、日本のマスコミは中国を怒らせて、中国特派員のビザ更新を拒否されたり、最悪の場合は支局が閉鎖される事態を恐れているのである(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57602)。現実に、そういう事態は何度も起きてきた。

そんなマスコミは「やがて中国は崩壊する」などとは、口が裂けても、あるいはキーボードが壊れても、絶対に言わないだろう。そこで、あえて私が書こう。独裁国家の中国は壊れていく。

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