一番「きれいな音色」の楽器は何? 「音波」の正体に迫る!

「心地よい音」と「雑音」の違いとは
志村 史夫 プロフィール

ちなみに、リード(reed)は日本語(漢字)では「簧(した)」と書かれるが、これは「笛の舌」の意味である。アコーディオンやハーモニカは、金属製薄片のリードの振動がもとになって音を出す楽器である。

アコーディオンを演奏する人 Photo by iStock

オカリナの「驚くべき」波形

私事で恐縮だが、2003年の初秋、北海道・屈斜路湖近くのアイヌ・コタンで開かれた「鎮魂祭」で偶然出合った、日本を代表するオカリナ奏者・本谷美加子(ホンヤミカコ)さんに自作の曲を聴かせていただいたとき、まさに「自然のささやき」のようなオカリナの音に私は癒され、「一目惚れ」ならぬ「一耳惚れ」した。

オカリナ。月夜の晩にト○ロが吹いてるイメージがあります Photo by iStock

それが高じて約5年間、本谷さんの協力のもとに「究極のオカリナ」を求め、「オカリナの音の科学的研究」に没頭した。その研究成果は「応用物理学会」で何度か発表し、「オカリナの科学的研究──科学と芸術の融合」(CrystalLetters,No.37,Jan.2008)としてまとめた。また、その具体的成果は2007年、イタリア・ミラノの国立ヴェルディ音楽院のプッチーニ・ホールでのオカリナ・コンサートで本谷さん自身によって披露された。

さまざまな「変わった」研究をしてきた私ではあるが、私がオカリナの研究を始めて最初に驚いたのは、オカリナの音の波形が図2に示した音叉の音の波形とまったく同じことだった(以下に図4として再掲する)。

図4 音叉の波形。オカリナの波形はこれにそっくり

オカリナの音の波形は他の楽器の音の波形と異なり、きわめて単純であり、純粋無垢の美しさを持っていた。

私がオカリナの音に、それまでに経験したことがないような癒しを感じ、「一耳惚れ」したことに合点がいったのである。

今回は、「音」が巻き起こす「波」について解説しました。次回は、「波の屈折」という概念についてご紹介します。

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