ドラマ24 きのう何食べた?公式サイトより引用 (c)「きのう何食べた?」製作委員会

『きのう何食べた?』が描く絶妙な“距離感”に私たちは魅了される

よしながふみと家族の食卓
ドラマ『きのう何食べた』が大人気を博し、原作のマンガにも改めて熱い注目が集まっている。この作品はなぜ私たちをこんなに魅了するのか。菓子研究家にして同作の大ファン、『まんがキッチン』などの著書があり「マンガ読み」でもある福田里香さんに、作品への愛、そして同作が「献立」を描く意味を熱く語っていただきました。

SNSが歓喜で埋め尽くされたドラマ化に乾杯!

現在テレビ東京系で“絶賛”放映中の『きのう何食べた?(以下、「何食べ」)』は、日々の何気ない食事風景を通して、中年同性カップルの日常生活を描いたテレビドラマだ。

原作は、よしながふみの同名マンガ

「何食べ」は青年マンガ誌「モーニング」で2007年から連載中で、単行本は15巻を数える人気作だ。

12年間に渡る長期連載のため、「何食べ」は“愛読者それぞれの心の中に確固たるキャライメージが出来上がってる系”の作品となっている。

このようなマンガの実写映像化は、わりとやっかい。

ピタッとハマれば原作者や制作側、視聴者も全員幸せになれるが、そうでない場合にはSNSを中心に大荒れするのが昨今の流れだ。

それを踏まえて云えば、今回の「何食べ」ドラマ化は大成功である。

冒頭のお決まり表現“絶賛”は大げさではない。

まず、公式アカウントで配役が発表されるたびにツイッターのいいねとリツイート数がすごいことになった。

第1話の放映時には「#何食べ」が世界トレンドにランクインしたほどの注目と高評価を得たし、話数を重ねても視聴率は依然絶好調だ。

テレビ東京の見逃し配信の再生数は、歴代最高を記録したという。

 

ケンジもシロさんも、ものすごくかわいい!

その理由のひとつに主役のケンジ&シロさんという同性カップルを演じているのが、内野聖陽(ケンジ)と西島秀俊(シロさん)という、NHK大河ドラマにも出演する演技と相貌に長けた超一流のベテラン人気俳優だということが挙げられる。

いつもはクライムサスペンスや時代劇で重厚な演技を披露する、そんなふたりが劇中で、ものすご~く、すご~くかわいかった。

おふたりとも役者として新境地を切り開いたんじゃなかろうか。

さらに第7話で登場するシロさんの友人カップル役には、演技派として名高い山本耕史と若手注目株の磯村勇斗を配して脇まで万全だ。

つまり芝居が上手い、いや、 美味くて、旨くて、甘(うま)いなぁ。

思わずご馳走さまと呟いてしまうくらいに味わい深い。

深夜ドラマの30分枠で、しかもゲイという難しい役どころであるにもかかわらず、内野・西島・山本という主役級役者が3人揃って出演をオーケーしたのは、ひとえによしながマンガが内包する物語の力だと思う。