5月27日 気球で初の成層圏到達(1932年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

この日、スイスの物理学者・冒険家のオーギュスト・ピカール(Auguste Piccard、1884-1962)は、自らが設計した直径30メートルの大気球に乗って、高度1万6940メートルの上空に到達しました。これは、世界初の気球による成層圏到達でした。

【写真】オーギュスト・ピカール
  オーギュスト・ピカール photo by gettyimages

ピカールはその後も高度の更新に挑み続け、最終的な記録は2万3000メートルに達しました。

また、ピカールは空だけでなく海にも興味を持っており、気球の設計で得たノウハウをもとに、自ら深海探査艇を設計し、その探査艇を「バチスカーフ」と呼びました(ギリシア語の「bathys(深い)」と「skaphos(船)」を合わせた造語)。

1960年、彼の設計した「バチスカーフ・トリエステ号」は、海洋学者であるオーギュストの息子ジャック・ピカール(Jacques Piccard、1922-2008)と、同じく海洋学者のドン・ウォルシュ(Don Walsh、1931- )によって、地球でもっとも深い地点であるマリアナ海溝南部の最深域チャレンジャー海淵の海底に到達しています。

【写真】バチスカーフ・トリエステ号
  バチスカーフ・トリエステ号 photo by gettyimages

さらに、オーギュストの孫ベルトラン・ピカール(Bertrand Piccard、1958- )もまた、精神科医として活躍するかたわら、飛行家として冒険に挑戦しています。1999年には、20日間弱の飛行で気球による初の無着陸世界一周飛行を達成しています。ピカール家の情熱は、脈々と受け継がれているようです。

【写真】ベルトラン・ピカール
  ベルトラン・ピカール photo by gettyimages