5月25日 アジアゾウが江戸に登場(1792年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

この日、ベトナムから連れてこられたアジアゾウのオスが、江戸に到着しました。

ゾウは、オスとメスの2頭が連れてこられましたが、メスは長崎到着後衰弱して死亡してしまい、オスだけが陸路、江戸に向かいました。江戸城内で将軍徳川吉宗に披露されたゾウは、その後あちこちの大名家を引きまわされたため、その道中で庶民の目に触れることとなりました。

巨大哺乳類を一目見ようと、江戸は見物客で大にぎわいとなり、本・絵・双六などゾウグッズも登場したそうです。珍しい動物が話題になると、すぐに関連グッズが作られるというのは、200年経った現在でもまったく同じですね。

Elephant
  江戸時代の屏風に描かれた南蛮人とゾウ photo by gettyimages

ゾウは、浜御殿(浜離宮恩賜庭園)に建てられた飼育小屋で飼われていたそうですが、のちに中野村(現・東京都中野区)の農民に払い下げられ、しばらくして死去したということです。今でも、中野の宝仙寺に、「馴象之枯骨」として、牙の一部が遺されているということです。故郷から遠い日本で終えた、その運命を思うと、いささか哀れも感じますね。

ちなみに、これ以前にもゾウが日本に連れてこられた記録は残っており、1408年に若狭国(福井県)に渡来したのが日本初といわれています。

【写真】象小屋の置かれていたという浜離宮
  象の飼育小屋の置かれていたという浜離宮恩賜庭園の航空写真。小屋のあったのは、写真の中ほどにある花木園のあたりだったという photo by gettyimages