抜群の目力! 迫力満点「オオカミウオ」を捕らえてカブト煮を実食!

モンスターハンターの「生きもの烈伝」
平坂 寛 プロフィール

餌は海底に暮らす肉食魚たちが共通して好むイカを丸ごと一匹、オヒョウ釣りに用いる大ぶりな釣り針に刺す。

知床沖の水深120m、大きな岩礁帯へ仕掛けを投入する。海底で何かがエサに食いつく感触が釣り糸から伝わってきた。

 

次の瞬間、グイグイととんでもない力で釣り竿が海面へ引っ張り込まれた。巨大な魚が針をくわえて、岩山の隙間に潜り込もうとしているのだ。

無我夢中で釣り糸を手繰り寄せる。海底から引き離すと、途端に諦めたように抵抗が弱まった。こういう挙動は細長い魚にありがちだ。

やがて黒い影が海面へ浮かび上がった。

「オオカミウオだ!」

動きはちょっとトロいかも……

子供の頃からの夢が叶った。甲板へ掬い上げたオオカミウオは怒ってガチガチとタモ網の縁を噛んでいる。カッコイイ魚だが、やっぱりおっかない。

漁師さんから「噛まれんなよ! 指なんか持ってかれるぞ!」と檄が飛ぶ。

針を結ぶスパゲッティのように太いマグロ用の釣り糸は、ところどころ、歯で平たく押し潰されていた。もう少し細い糸を使っていたら、食いちぎられて獲り逃していたかもしれない。

オオカミウオを抱え上げると、大きく身体を振って重々しく暴れる。

普通の魚のようにビチビチと跳ね回ったり、ウツボやアナゴのように身体を錐揉みさせたりはしない。

おそらく、水温の低い北の海底で代謝を抑えて暮らしているため、あまり素早い運動はできないのだろう。

夢にまで見たオオカミウオを抱き上げる。時折、大きく体をよじるように暴れるが、普通の魚と比べるとのろく、おとなしい。

ギョロリ! 巨大でつぶらな「目」のヒミツ

見とれていると、漁師さんが「オオカミは魚のくせにまばたきするからおっかねえよな」とつぶやいた。

まばたき? おかしいな。魚にはまぶたがないから、まばたきなんてできないはずなのに。