その実験、「孫子の兵法」に学ぼう! 理系のための卒論術

実験とはこれすなわち戦である
ブルーバックス編集部 プロフィール

だいたい偉大な発見発明とは、怪我の功名が多いものなのです。ダイオード内部の電位分布を調べようとして失敗した実験から、トランジスタが誕生しました。ごみ箱に捨てられたくず鉄の中で錆びていなかったものが、ステンレスのはじまりです。ミリとマイクロを読みまちがえたら電気を通すプラスチックが発見され、粘着力が弱すぎる接着剤の失敗作がポストイットになりました。

このように当初は意図しなかった発見をつかみ取ることを「セレンディピティ」といいます。

セレンディピティの代名詞、ポストイット

セレンディピティは単なる幸運ではありません。大発見は実に適切に仕組まれた実験の中で生まれているのです。その材料、その組み合わせ、その環境。一つでも欠けたら何も起こらなくなる条件が整っています。

もちろん研究者は別の目的で整えたのですが、その付近で「何か面白いことが起こる」という予測は正しかったのです。最後の最後は運の力も借りますが、全体としては「意図」による発見と言えるのです。

本記事では、理系の大学生のみなさんが卒業研究をする際に重要となる心がけを、『孫子』になぞらえて解説しました。このたび重版となったブルーバックス『理系のための「即効!」卒業論文術』では、ほかにも卒業論文を書く上では欠かせない「裏ワザ」が多数掲載されています。そろそろ卒業論文について考えなくてはならない4年生のみなさん、これさえ読めばもう卒論は怖くない!