日本企業が「終身雇用」を守れなくなっている本当の理由

外資型に変わらなければ生き残れない
中澤 一雄 プロフィール

日本企業は生産性を上げなければ生き残れない

2020年、日本では東京オリンピックが開催されます。それからわずか4年後の2024年には日本人の約3分の1が65歳以上となります。

人口は年々減り続け、高齢化が急速に進んでいきます。

2015年には人口構成比で11%だった0〜12歳が、2040年には9%にまで減少します。反対に、45%の構成比だった50歳以上が、2040年には56%にまで増加します(図2)。

それに伴って、生産年齢人口が急激に減少していくのも避けられません(図3)。

図2、図3ともに国立社会保障・人口問題研究所の絵資料をもとに編集部で作成

2040年には女性の平均寿命が90歳に迫り、男性も83歳になろうという水準まで延びていきます。平均寿命が延びるということは、その年齢まで生活していくためのお金が必要になります。

しかし、現状を考えると年金が大きく増額されるとは考えにくい。

私がよく目を通す雑誌の一つに「週刊ダイヤモンド」がありますが、同誌によると、1989年には世界の株式時価総額トップ企業20社の中に日本企業が実に14社も入っていました。ところが2018年には世界の上位20社のうち日本企業はゼロ。35位にようやくトヨタ自動車が入ってくるぐらいです(2018年8月25日号)。

2017年の日本生産性本部の調査では、日本の1時間あたりの労働生産性(利益や人件費などの付加価値額を労働者数で割った数値)は47.5ドルと、アメリカ(72ドル)やドイツ(69ドル)など経済協力開発機構(OECD)加盟国36ヵ国中20位にとどまっています。

年収についてはどうでしょうか。GCIアセット・マネジメントCMOの太田創氏が行った試算によれば、米国では年収1000万円以上の家計は全体の3割弱を占めるのに対し、日本ではわずか4%強にすぎません。

平均年収も米国の約793万円に対して日本は約420万円と半分程度です(LIMO 2017年7月28日付記事より)。

OECDの資料によれば、1997年〜2017年の20年間における時給(民間部門)の変動率は、イギリスがプラス87%、アメリカが同76%であるのに対して日本はマイナス9%と、主要国で唯一のマイナスの座に甘んじています。

このような状況のなか、日本が生き残る道は1つしかありません。それは、現在は低水準にとどまっている生産性を高くすることです。人口減少のなかGDPを高めるためには、1人当たりの生産性を上げるしか方法はないのです。

繰り返しますが、日本企業の生産性はアメリカの約半分です。このままでは、日本企業が生き残るのは難しいと言わざるを得ません。むしろ、生産性を上げなければ日本企業はおろか、日本社会や日本経済が危機的な状況に陥ってしまうでしょう。

アメリカ型の経営システムのエッセンス──外資流の「勝利の方程式」はもっと日本の企業に導入されるべきです。日本企業が生産性を高め、劇的に再生するための答えが、この一つひとつのエッセンスの中にあるはずです。

外資の流儀