テレビ業界で本格化する働き方改革が「ドラマ現場に与える影響」

それでも面白いドラマは出てくるか…?
隼二郎 プロフィール

季節はずれのロケは、作品作りの大きな影響に

さて、先の局員が続ける。

「昨年の秋に放送された、中山美穂主演の『黄昏流星群』なんて、夏前から撮り始めて、放送が始まる前にはすでにクランクアップしていましたよ。ドラマは冬設定なのに、撮影時期は夏。しかも猛暑が続いていたから現場は大変でした。とくに役者さんは、夏場なのに冬物のコートを着て野外でロケすることも多く、演技どころじゃなかったと思いますよ」

季節はずれのロケは当然、作品作りにも大きな影響を及ぼすと、先の局員は言う。

「夏なら海、秋なら紅葉、冬なら街のイルミネーションといった具合に、季節感を出しづらいのは大きい。前撮りがバレないように屋外で撮影するとなると、映しちゃまずいところもあるので、必然的にこじんまりとした画しか撮れない。現場からは『いっそのこと、1年前から撮り溜めしたほうが楽じゃないか』なんていう声も聞こえてきます」

実際に約10カ月の前倒しロケを刊行したのが、NHK朝の連続ドラマ小説「なつぞら」だが、テレビ雑誌の編集者が解説するには、

「昨年6月に十勝でクランクインして以降、定期的に北海道でロケを行なっています。これだけの前倒しは連ドラでも異例ですが、大自然の風景の移り変わりも大事な要素なので必然とも言えます。ただ、民放はそこまで制作日数はかけられない。予算が潤沢なNHKだからこそでしょう」

 

この「なつぞら」は平均視聴率20%をキープするなど好調を維持しているが、同局で対照的なのが大河ドラマ「いだてん」だ。

先の編集者が言う。

「実は『なつぞら』に限らず、NHK全体で労働時間の短縮が叫ばれており、この『いだてん』もかなり前から収録が進められていました。

4月の放送スタート時点で20話くらいまで撮り溜めていた関係で、視聴率が悪くても新たなキャラクターや設定の変更など、軌道修正ができないのは大きい。今から脚本を見直したとしても、カンフル剤が打てるのは秋以降の放送分になります」

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