photo by iStock

テレビ業界で本格化する働き方改革が「ドラマ現場に与える影響」

それでも面白いドラマは出てくるか…?

かつての現場とは大違い

今年4月1日から働き方改革関連法が施行され、働き方への意識改革が叫ばれる中、TBSでオンエアされている4月クールの連続ドラマが「わたし、定時で帰ります」。タイトルそのままに、「残業ゼロ」をモットーにするOLがヒロインだが、その制作現場もまたかなりマイペースだった。

photo by iStock

縁があって、撮影現場を覗かせてもらったことがある。かつてのドラマの現場というと、何日も風呂に入っていないようなADがいたり、ディレクターの怒声が飛び交ったりと、殺伐とした空気が漂っていたものだが、どこかノンビリしたムードだった。ドラマの関係者はこう話していた。

「2月のクランクインから、かなり前倒しで撮影を進めていたので、スケジュールをギュウギュウに詰め込む必要がないんです。定時で帰るどころか、『今日は2時間も早く終わった』と早退することも多い。

早く終わらせようという意識が強いのか、撮影がテキパキと進んでいく印象。セリフの間違えさえなければ、たいてい一発OKで、撮影が押すことはほとんどありませんね。よく言えばスマート、悪く言えばこだわりに欠ける気がします」

 

「前倒しロケ」が慣例に?

一方、フジテレビはすでにテレビマンの働き方改革に乗り出し、こうした「前倒しロケ」を慣例にしていた。ある局員によると、

「うちの場合、3カ月前から撮り始めるのもザラですね。というのもフジでは2年ほど前から、スタッフは2クール連続でドラマの制作に関われなくなったんです。

撮影が始まると、スタッフはほぼ休みナシになるし、撮影がない日でも編集作業やらロケの手配など仕事は山積みですからね。これはいわば、上層部が作った過労死防止策。このルールはお台場の制作ルーム内にも貼り出されていて、局員はもちろん、制作会社の派遣スタッフにも徹底されています」

となると、スタッフが実際に稼動できるのは年間4クールのうちたった半分ということになる。それではさすがに局内に多くの余剰人員が生まれてしまうため、撮影時期をずらすことで対応しているという。

余談だが、お台場にあるフジ御用達の湾岸スタジオ内では、出演者向けにケガの防止策として「撮影前にストレッチを」と書かれた張り紙が掲示されていたが、誰一人ストレッチをしている者はいなかった。