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銀行員・証券マンが明かす「本物の大金持ちはこんなことまでやる」

ケチり方が違う、欲望の量が違う
週刊現代 プロフィール

あまりにも多くの資産を持っていると、私たちとは金銭感覚がまったく異なるのだろう。カネを持つことの意味を見失った人もいた。

東京都内の公園の決まった場所に毎日現れる、吉永聡氏(72歳・仮名)。もともと資産家の家でありながら、自身が立ち上げた宝飾品の会社も成功を収め、現在は悠々自適の毎日を送る。

「私のカバンにはいつもご祝儀袋が3つ入っています。中身は3万円、5万円、8万円の『松竹梅』があって、自分が気に入った人に会うと、感謝の気持ちを込めて、おカネを渡すんです。

金額は日頃どれだけお世話になっているか、どんな面白い話をしてくれるかで変えていて、そのおカネは何に使ってもらっても構わないですし、何ならその場で捨てられても気にしません。どうせいつか死ぬのだから、生きているうちにどんな形であれおカネを使っておきたいんですよね」

 

家族も子供もいらない

フルオーダーしたタイシルクのスーツに身を包む彼が、公園に決まって現れる理由とは――猫である。手に下げた袋には野良猫用の餌。彼の姿を見つけてか、いつもの猫たちが集まってくる。猫たちは特に喜ぶ様子もなく、淡々と餌を食べている。

しばらくすると、吉永さんはなにやら別のものを取り出した。鳥の餌だ。今度はそれを鳩に与える。たくさんの鳩たちに囲まれた姿は、傍から見ると完全な「鳩おじさん」。毎日1時間半ほど、この公園で時間を費やすのが生活の中心だ。

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こう見えても、青山や麻布に何十軒ものビルやヴィンテージマンションを所有する大富豪だ。なぜ彼はこのような日課を続けるのか。

「私が稼いでいた宝飾業界は、本当の価値などお構いなしに売りつけあう、イヤな人間の世界でした。ですから、おカネやモノの価値を何も信用していません。おカネは他人の血と思って使うようにします。

だから私は、家族も子供もいらないと思って過ごしてきました。この年になっても、後悔していません。これ以上面倒事は増やしたくないので、今持っている不動産も修繕までにすべて現金化しようと考えているくらいです」

あぶく銭を手にしたのではない生粋の大金持ちは、やはりとてつもない野望や価値観を持っているものなのだ。

「週刊現代」2019年5月11日・5月18日合併号より