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銀行員・証券マンが明かす「本物の大金持ちはこんなことまでやる」

ケチり方が違う、欲望の量が違う
週刊現代 プロフィール

稼ぐのは簡単、使うのが難しい

高級車や別荘には興味がないタイプの大金持ちは、子供の教育に莫大なカネを投じる傾向にある。

世界中の大富豪に詳しい作家の本田健氏はこう語る。

「本当の大富豪クラスだと、スイスの寄宿舎があるような学校に通わせたり、自宅に大学教授を呼んで家庭教師をさせたりします。その費用は年間1500万円におよぶこともある。普通の学校教育は労働者を生み出すものという考えがあり、医者や弁護士を目指してはいけない。世間的には高給取りでも、彼らにとっては雇う対象に過ぎないのです」

私たちからすれば信じられない教育観だが、数百億円もの資産を生まれながらにして継ぐ子供たちにとっては、これくらいの感覚を持って然るべき、ということなのだろう。いわば富豪の帝王教育だ。

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近畿地方で100億円近くの資産を形成した堀之内隆志氏(80歳・仮名)は自らの「子育て」についてこう語る。

「私には3人の息子がいますが、大学に入学してから、30代になっても毎年、『将来に繋がる使い方をしてみせろ』と言って、正月に300万円ずつ渡していました。使い方は息子たちに任せていますが、下手な使い方をした息子にはペナルティーとして翌年減額するんです。するとどういうわけだか、3人ともうまいこと増やして正月やってくるわけです。

『カネを稼ぐのは簡単だ。でもその使い方は難しい』と私は言い続けていました。小さいスケールで銭稼ぎを考えると、人間が小さくなる、ともね。孫の教育のために、息子の一人が海外に移住しようと考えているようですが、『シンガポールやフィリピンでは子供を育てるな。あそこは本当の金持ちはいないところだから』と、たしなめたんです。

株や投資だけでいきなり儲けた人たちもそれなりに頑張ってきたんでしょうが、私たちと考え方が違う。成金の若い日本人の変な影響を受けるくらいだったら、海外に行く必要もないと思います」

 

庶民感覚とは離れたエピソードが続々出てくるなかで、「ケチ」な金持ちもまた、極端な考え方なのが面白い。前出・本田氏が語る。

「アメリカで数千億円の資産を持つ社長に招かれたときのこと、彼は小さくなった石鹸を一つの固まりにして、最後の最後まで使っていました。理由を聞くと、『倹約ではない。こういう細かいことができなくなったら、もう終わりだよ』と言っていました。その翌日、彼はある学校に1億円をポンと寄付したんです。もはやケチという価値観で語れないレベルかもしれませんが……。

自分を格好良く見せることにこだわらない大金持ちもいます。'16年に亡くなられた、資産家の竹田和平さんは、『革靴は足が痛くなるからイヤ』と言って、リーズナブルな運動靴を履き続けていましたね」