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日経平均2万円割れも覚悟せよ、米中貿易戦争「6月末までの読み方」

織り込むべき要因を網羅する

米中貿易摩擦の再燃が本格的になり、東京株式市場でも暗雲が立ち込め始めている。

トランプ大統領が中国への制裁関税の引き上げを表明し、現在対象外となっている品目にも追加関税をかける手続きに入った。これに対して中国も、米国からの輸入品600億ドル相当の関税を引き上げると発表、報復する構えを見せている。

米国が実際に関税を引き上げるかについては、市場関係者は「トランプ流のいつものブラフ(脅し)に過ぎない」とする見方が多いが、来年に大統領選を控えるトランプ氏がこのまま強硬姿勢を続ければ、世界経済が大幅に減速するのは避けられない。

 

エスカレートの予感

日経平均株価は14日、1カ月半ぶりに2万1000円を割り込んだ。16日終値でも、連休前から1300円近く下落した。

市場関係者が警戒を強めるのは、日経平均が4月以降回復トレンドを強めていた点が大きい。昨年秋からの米中貿易摩擦の影響で冷え込んでいた東京株式市場だが、今年に入り米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを先送りしたことを好感し、日経平均は上昇に転じていた。

中国の3月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が好調だったことなどもあり、4月に入って一段高となり、連休前の24日には2万2362円92銭と直近最高値の2万2698円79銭(18年12月3日)に迫る順調な回復を見せていた。

この時期の景況感を、国内証券大手のストラテジストは「米中貿易協議を巡る交渉についても楽観的な報道が目立ち、ある程度のところで妥結するとの見方が大勢だった」と振り返る。

市場が注目するのは、なんといっても「どの程度、米中貿易戦争がエスカレートするか」である。銀行系証券のストラテジストが解説する。

「貿易戦争が始まったのは昨年ですから、トランプ政権側が2000億ドル分について25%引き上げるのは織り込んでおり、そのこと自体、市場関係者は冷静に受け止めていました。FRBの利上げ先送りによって世界経済は極端には悪化しないという見通しも大きな下支え材料で、年初からの回復トレンドが一服して自然な調整局面のきっかけとなったとみるべきでしょう。

問題は、その先の3250億ドル分への対象拡大です。こちらが本格化すれば、世界経済が一段悪化することは避けられません。今回の引き上げだけなら、日経平均の下値はなんとか2万1000円前後で持ちこたえるはずですが、対象拡大となれば2万円割れは避けられないでしょう」