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自分の夫は「アスペルガー体質」ということが判明した時の話

ある専門家に言われた一言でわかった

医師が薦める信頼できる名医を紹介する医療情報のフリーペーパー『ゲンキのモト』編集長の伊藤みかこさん。編集者として働く傍ら、ふたりの子供を育てるシングルマザーでしたが、今から7年前に再婚。その後再婚相手である夫との間にもふたりの子宝にも恵まれました。

充実した仕事に加え新たな子どもも授かり、再婚後のみかこさんは、傍からみれば仲良し夫婦。とっても順風満帆です。しかしみかこさんには気になることがありました。普段はおだやかで優しい夫の「パパ氏」は、自分のルーティーンや日常のルールを乱されると激怒し、口もきいてくれないほど怒ってしまうという「特徴」があったのです。

そんなパパ氏に戸惑い、悩んだみかこさんは、重度の障がい児である前夫の次男がお世話になっている「療養のT先生」に相談をもちかけました――パパ氏とみかこさんの「凸凹夫婦・歩みよりの旅」のはじまりです。

 

わたしとパパ氏

「パパ氏」は、私の1週間の予定をこと細かくよく確認してきます。

あんまりにも細かく聞くので付き合いたての当初は、「元カノに浮気でもされたトラウマで不安なのかな?」と暖かい気持ちでのんびりとかまえていました。

しつこく聞かれても嫌な気分にならなかったのは、パパ氏も「月曜日は、図書館にいくから丸ノ内線に乗って出社して、火曜は平常通り。まっすぐ帰宅して18時には家に着く。水曜日の夜は会議があるから遅いかもしれない、木曜は……」と、まずわれ先にと一生懸命に自分のスケジュールを伝えくれていたので、「これがこの人の普通なのかな。じゃあ私も彼に合わせて伝えてみようかな」と思っていたのです。

でも再婚して一緒に暮らしてはじめて、急な予定の変更やイレギュラーな事態が起きるとパニックになり、急に怒りだすパパ氏の行動に目をつむれない程気になってきました。

日常生活のルーチンが崩れたり、一週間の決まったスケジュールに別の予定が入ると、その予定日の前後に必ずプチパニックを起こしてしまうのです。とりわけ来客がある日は常にイライラしています。

先日も私の友人が家に遊びに来ると数日前に決まり、一週間前に立てたその日一日のスケジュールが狂ったパパ氏は朝からずっとソワソワしていました。

「ここに○○さんに座ってもらって、夕方5時くらいには帰る感じかな?

〇〇さんが来たら、僕とみかこと子ども達はこっち側に座って、お茶とお菓子を出して。お菓子は昨日買っておいて冷蔵庫にしまってあるから、お客さんが到着する3分前に出しておけばちょうどいい塩梅で食べられるし、お茶は僕たちが座った後に、みかこが淹れてくれるし…」

などと綿密に考えて計画を立てたものの、結局は来客対応の心配が高まりイライラモードが全開に。

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周りからは「なんだかすぐに機嫌が悪くなる人」と誤解され、嫌煙され、私自身も一緒に暮らし始めた当初は、「なんでこの人は細かいことにいちいちイライラするんだろう」と悲しい気持ちになることもしばしばでした。

さらに、なにか突発的なことが起こり、スケジュールを変更しなくてはいけない事態や、予定していたことがその通りに進まなくなると激怒しひどい暴言をいうのです。

以前にパパ氏から「買ってきて」と頼まれたモノを買い忘れた時は、

「あてにしてないから、もう頼まないけど本当にバカすぎるから病院行ったほうがいいんじゃない?」

と言われ、ひどく傷つきました。

ちょっとした失敗にすぐ「死ね」というパパ氏に、「その口の悪さを直して欲しい。簡単に死ねと言ってはダメ。言われて本当に傷つくし、悲しい気持ちになるから」と伝えると、「そんな一言で、傷つくの?」と、ものすごくビックリしつつ「だけど、毒舌をやめたら自分も死にそうに苦しいから、直せない」と断言されてしまいました。

なぜわかってもらえないのかと、悲しい気持ちを通り越して怒りが沸き、「せっかく再婚したのに、この人とはやっていけないかもしれない…」と離婚がチラつく重たく悩む日々を随分長いこと送ってきました。