大丈夫かソフトバンク…!? ウーバー上場低調がもたらす悪い影響

もしもこれに賭けていたとするなら…

皮算用?

先週末、携帯電話会社からソフトバンク・ビジョン・ファンド主体の投資会社に経営の軸足を移すソフトバンクグループの業態転換戦略とその先行きに、黄色信号が灯った。

ビジョン・ファンドの大口投資先のひとつであるウーバー・テクノロジーズが日本時間の先週金曜日(5月10日)の夜、ニューヨーク証券取引所への株式上場を果たしたものの、期待に反して、株価が軟調な動きになったからである。

上場初日の終値は、前日控え目に設定したはずのIPO価格と比べて7.6%も安い41.57ドルに沈んだ。この結果、ウーバーの時価総額は、3月の大口投資家向けの販売希望価格をもとに算出した1200億ドルどころか、前日に決めたIPO価格から算出した820億ドルも大きく下回った。終値ベースでは760億ドル(約8兆3000億円)に縮小し、ビジョン・ファンドの評価益はわずか1日で約9億ドル(約990億円)も減った勘定になるという。

 

周知の通り、携帯電話ビジネスの世界的な成熟に直面して、孫正義会長兼社長が率いるソフトバンクグループは昨年、株式を100%保有していた携帯電話会社ソフトバンクモバイル株の一部放出と上場や、ドイツテレコム系の米国3位の携帯電話会社TモバイルUS主導のソフトバンク傘下の米携帯電話会社スプリントに対するM&Aを容認するなど資金回収を急ぎ、その資金をファンドビジネスに注ぎ込むことで高い成長率を維持する戦略への転換を急いでいた。

しかし、昨年12月の上場初値が最高値となっているソフトバンクモバイルの株価低迷で多くの投資家にそっぽを向かれたのに続き、筆頭株主になったウーバーの株式上場でも広く市場から資金を調達する戦略が躓いたことで、孫会長が掲げるビジョン・ファンド2号の資金集めが難しくなるなど、ソフトバンクグループの皮算用が大きく狂う懸念が高まってきた。

「アンラッキー」だけが原因ではない

ウーバーの創業は2009年。アメリカ西海岸のサンフランシスコに本社を置き、スマートフォンの専用アプリを使って、世界の60か国以上700超の都市で、移動手段を求めている利用者と登録した一般車やタクシーのドライバーをマッチングする仕組みのライドシェアや料理の宅配事業を展開、急成長を遂げてきた事で知られている。

ソフトバンクグループは2018年1月、ビジョン・ファンドを通じて、ウーバー本体に77億ドルを出資、同社資本の約15%を保有する筆頭株主となった。その後、今年4月には追加出資方針を発表、ウーバーの自動運転技術の研究・開発部門「アドバンスト・テクノロジーズ・グループ」を母体とした新会社に3億3300万ドルの出資を行う計画も表明している。

今回のウーバー上場は、時価総額が、2014年の中国のインターネットコマース最大手のアリババ集団の1693億ドルに次ぐ過去2番目の規模になると大きな期待を集める大型上場だった。

ところが、初日の株価の動きは惨憺たる結果に終わった。その背景として、上場直前になって、トランプ米大統領が中国からの輸入品に対する4回目の制裁関税の賦課方針を打ち出して米中貿易戦争のエスカレートが確実視される事態となるなど、環境に恵まれなかった面があることは事実である。

しかし、アンラッキーだったことだけが原因と言い切れない。というのは、大方の期待に反し、ウーバーの収益力が脆弱だったからである。