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野村HD・永井CEOの告白「我々は今『潰れる恐怖』と戦っている」

直撃インタビューに答えた
浪川 攻

絶対に起きてはいけないこと

――このような事件の発生は信用商売として致命的だ。

その通りだ。「一時的な赤字で会社がすぐに潰れることはないが、社会の信用を失ったら、あっという間に潰れるぞ」と部店長会議でも強く訴えた。じつは、2年前の部店長会議でも冒頭に同様のことを話した。年に1、2回の部店長会議は全店サテライトでみている。その場で経営者がそんな話をせざるを得ないことは、まさに恥を忍んでということだ。本来あれば、「日々の業務、ご苦労様」と労うところだが、それを言わずに、「このままでは潰れるぞ」と語らざるを得なかった。きわめて恥ずかしいことだ。

 

――東京証券取引所の市場構成の見直しでも情報漏えい事件を起こしている。

それも含めて、部店長会議で訴えた。着服の事件があったうえに、あのような事態を起こしてしまった。資本市場の公正性の生命線である仕事に携わっている野村の社員としての意識の欠如が露呈したと言わざるを得ない。当社は2012年の増資インサイダー事件を引き起こして、社内で厳しい議論が行われたのにもかかわらず、だ。

あのときのことを忘れたのかと。不祥事は一人が引き起こしても、一人だからいいだろうという話ではない。なかでも、このような問題は絶対に起きてはいけないことだった。何万人、何十万人の社員、関与者がいても、絶対に起きてはいけない。我々はきわめて重大なことだと認識している。

〔photo〕インタビューは大手町本社で4月に行った