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要介護親の「預金を管理」したら、泥棒扱いされた51歳男性の悲劇

姉がかけてきた一本の電話

「悪徳業者」から守るためなのに…

私は90年代から介護の現場を取材し、そのリアルな現実や有益な情報を執筆や講演、NPO活動を通して紹介しています。

さて、親が高齢になると、「本人によるお金の管理」が難しくなることが多々あります。高齢になった親のお金の管理と言えば、「成年後制度」などの利用を思い浮かべがちですが、最終的に利用する場合でも、まずは親のお金を子が預かるところから始まるケースが多いものです。そうした場合、1人っ子であれば問題になりにくいのですが、きょうだいがいるとそのお金の扱いをめぐって修羅場になることが少なくありません。

これからお話しするタロウさん(51歳:仮名、東京在住)の場合も、2年程前からひとり暮らしをする80代の母親の金銭管理を代行するようになりました。その結果、ある家族トラブルに直面することになったのです。

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もともとタロウさんは長男で、2歳上の姉(大阪在住)との2人きょうだい。兵庫県で暮らす母親が介護保険で「要介護1」になった頃から、毎月1回、2泊3日の遠距離介護で様子を見に帰るようになりました。交通費は新幹線を使って往復約3万円。昔から、姉は母親とは仲が悪く、盆と正月に顔を出すくらいでした。

 

そうして遠距離介護を始めてわかったのは、母親の住む町内の工務店が、屋根だ、縁の下だ、といろいろな理由をつけて母親の家にやたらと工事に入っているということでした。「母親が多額の工賃を支払っていることがわかったのです。他にも、色々な業者が出入りしていました。そこで、母と相談して僕のほうで通帳などを預かり、母には月々5万円の現金を渡すようにしたのです。母が『お金は息子が管理しているから』と言うと、業者は来なくなりました」とタロウさんは言います。